伊藤園は12日、東京・大手町のオフィス街に、「茶殻」配合の充填(じゅうてん)剤を用いた人工芝を敷き詰めた「常盤橋TEA’s Park(ティーズパーク)」と呼ぶ空間を整備したと発表した。
温度上昇の抑制効果もある茶殻を有効活用する環境技術「茶殻リサイクルシステム」をアピールする狙いがある。
この充填剤は、茶系飲料の製造過程で出る茶殻を配合したチップ「Field Chip Greentea(フィールド・チップ・グリーンティー)」で、伊藤園とミズノが共同開発した。
微細な穴が多数あることから熱を逃す特性を持ち、充填剤として使うと人工芝の表面温度が上昇しにくい。
黒い人工ゴムの充填剤に対し上昇抑制効果は7度で、両社がスポーツ施設や学校などへの採用を働きかけている。
今回、人工芝は三菱地所の市街地再開発事業で暫定利用中の中央通路に約290平方メートル分を敷き詰め、都心のオアシスのようにした。
充填剤に使われた茶殻はペットボトルの「お~いお茶」約1万2,300本分に相当する。
また、同通路には茶殻配合樹脂を用いたベンチや自動販売機も設置した。
伊藤園によると、茶系飲料の出荷増により茶殻排出量は増えており2017年度は約5万9,200トン。
畳や建材、樹脂製品、段ボールなど約100種類の茶殻リサイクル製品をすでに開発済みで、環境経営に注力している。
SankeiBizより