環境省は19日までに、東京電力福島第1原発事故に伴う県内の除染で生じた土の再利用に向けて南相馬市小高区の仮置き場で進めている実証試験の現場で、8月末に完成した除染土を使った盛り土を報道向けに公開した。
完成した盛り土は高さ約2.5メートル、幅約20メートル、長さ約54.5メートル。
周辺の放射線量と比較するため、従来の土と再生資源化した放射性セシウム濃度3千ベクレル以下の除染土を使った2種類の盛り土をつなげ、仕切り板で隔てた。
盛り土全体約4千トンのうち除染土は約700トン。
除染土でつくった盛り土の長さは約11メートル。
盛り土の下部には地下に放射性セシウムを含んだ雨水の浸透を防ぐシートを敷き、放射線を遮蔽(しゃへい)するために周囲を土で覆った。
同省によると、盛り土の施工中と施工後に周辺の放射線量や大気中の粉じんの放射性セシウム濃度を測ってきたが、試験開始時から大きな変動はなかった。
除染土の再利用には自治体や住民に不安がある。
同省などは、住民向けの現地説明会開催も検討している。
福島民友新聞より