静岡市の西ケ谷清掃工場のごみ処理過程で生成される溶融スラグが鹿児島県奄美大島の海で藻場再生に活用され、奄美大島の自治体と静岡市との交流が進んでいる。
奄美市など4市町村の首長や議員らが27日、静岡市を訪れ、溶融スラグの活用について報告会を開いた。
奄美大島の海では沿岸部で藻場が減少する「磯焼け」が発生し、漁業に影響が出ている。
藻場再生事業は2009年度から同清掃工場の溶融炉を手掛ける新日鉄住金エンジニアリング(本社・東京都)などが実施し、溶融スラグを使った「藻場ブロック」170個を3年間にわたって沿岸部に設置した。
報告によると、現在はホンダワラなどの海藻が繁茂し、魚介類を確認するなど効果が出ているという。
静岡市を訪れたのは朝山毅奄美市長のほか龍郷町、宇検村、大和村の首長や議員約30人。
朝山市長らは田辺信宏市長を訪ね、「奄美の誇りは自然。あらゆる知恵を頂いて海の再生に取り組みたい」と話した。
溶融スラグの活用に関する報告会では、静岡大が実施したイネ科植物の生育促進に生かす実験などが紹介された。
一行は28日に西ケ谷清掃工場や三保松原、清水港などを視察する予定。
静岡新聞より