染色加工の小松精練(能美市)は、屋上緑化事業を手掛ける東邦レオ(大阪市)と業務提携を結び、街路の表面温度が下がりやすい特殊な舗装技術を共同開発した。
2020年の東京五輪・パラリンピックを控えて首都圏の開発が進む中、緑化基盤材「グリーンビズ」のノウハウを応用し、環境に配慮した「グリーンインフラ」分野に本格参入する。
グリーンビズは、工場廃水を浄化する際に生じる余剰汚泥を再利用しており、保水性や断熱性に優れるほか、蒸気を拡散する性能も高い。
昨年、都電荒川線の軌道緑化の検証実験に採用され、小松精練グループで拡販を進めてきた。
東邦レオと共同開発した舗装技術「アクアビズ―J工法」は、グリーンビズと東邦レオの舗装技術「J・ミックス」を組み合わせた。
15日から販売を始める。
J・ミックスの基盤材は、建設廃材のコンクリートなどを砕いて再利用したもので、雨水の貯留性能が高い。
グリーンビズと2層構造にすることで貯留した雨水が蒸発しやすくなり、「冷える街路」として表面温度を下げる効果が期待できるという。
生産、販売は当面、小松精練と東邦レオが行う。
首都圏から販売を進め、需要が増えれば建設業者などに生産、販売を委託することも検討している。
小松精練の担当者は「東邦レオが持つグリーンインフラのノウハウを学び、新技術の開発や拡販に生かしたい」と話した。
北國新聞より