福岡市のJR博多駅前で昨年11月に起きた道路陥没事故で中断している市営地下鉄七隈線延伸工事について、市と共同企業体(JV)が陥没現場の工事を5月下旬にも再開する方向で調整していることが分かった。
国の第三者委員会が公表した陥没原因や工事再開の留意点を踏まえ、ボーリング調査などで地質や地下水の状況を把握し、トンネル内部の水抜き作業などに着手する。
トンネルの掘削は今年秋ごろの再開を目指すとみられる。
第三者委は3月にまとめた報告書で、トンネル上部の岩盤が想定以上に薄くもろかったことや、地下水圧の安全対策が不十分だったと指摘。
工事再開の際は、改めて地質や地下水の状況を把握するように求めた。
市交通局は、地質の専門家2人を加えた七隈線建設技術専門委員会を12日に開き、陥没事故でトンネルに流入した水や土砂の撤去方法など、工事再開の課題を協議する方針。
関係者によると、市議会が協議結果に同意すれば、約半年ぶりに工事を再開する方向だ。
市とJVはトンネルの掘削工法も再検討する。
陥没現場は、掘削とコンクリート吹き付けによる補強を繰り返す「ナトム工法」を採用したが、大型ドリルで掘り進むと同時に壁面を補強する「シールド工法」や新技術の活用も視野に入れている。
西日本新聞より