大阪府庁大手前庁舎(大阪市中央区)の本館職員食堂がこのほど、装いを新たにリニューアルオープン。
大正期の天井装飾を移設した内装レリーフや、ボリューム満点の新メニュー「大阪府庁ライス」などが話題を呼びそうだ。
府民も気軽に利用できるので、近代建築の粋を誇る本館見学を兼ねて出かけてみてはいかがだろうか。
「いらっしゃいませーっ!」「親子丼入りま~す!」
威勢のいい掛け声が、心地よく響く。
これまでのお役所系食堂ではあまり見かけなかった光景だ。
「もっとも重視するのはホスピタリティ。お客様に喜んでいただくおもてなしの精神を大切にしています」
食堂を運営するUG・宇都宮筆頭専務取締役の三崎哲郎さんが、柔らかい口調ながらキッパリ断言する。
多くの人気飲食店を手掛けてきた経験と熱さが息づく。
府庁本館の職員食堂は長らく本館西側の1階で営業してきたが、耐震改修工事に伴い西側部分が撤去されるため、先月末で営業を終了。
代わって本館地下1階に場所を移して新装オープンした。
職員アンケートなどを参考に考案された基本方針は「安い、美味い、オシャレ」。
注文を受けてからの調理で顧客を待たせないようメニューをやや絞り込む一方、日替わり定食やヘルシー定食の食材バリエーションを増やし、毎日通っても飽きの来ないもてなしを心掛けたという。
府が推奨する地元生まれの食材「大阪産(もん)」も、四季を通じて提供する方針だ。
白が基調の内装は、大正期の名建築とされる本館のイメージを継承。
洗練されたモダニズムが漂い、地下空間の圧迫感を感じさせない。
注目は奥の壁のレリーフ。
元々本館2階の天井装飾として利用され、耐震改修工事で撤去される予定だったが、食堂へ移設してレリーフとして再利用されることになった。
天井から壁へ、廃棄から再生へ。
いわばいのちを長らえた「奇跡のレリーフ」だ。
大きな作品は直径110センチ。
優美な文様がしっかり作り込まれている。見上げていた天井装飾を、間近に鑑賞しながら食事ができる。
近代建築ファンには何よりの「ごちそう」だろう。
メニューの中で異彩を放つのは、「大阪府庁ライス」。
直径27センチの皿に、大きなトンカツが山盛り状態で登場。
若手職員などのガッツリ食べたいという満腹願望に対応するには、「やっぱりトンカツだろうと即決した」(三崎さん)、ストレート勝負の自信作だ。
皿の上に盛り付けたご飯を、薄焼き玉子で包み込む。
さらに千切りキャベツとトンカツをのせ、総仕上げに自家製デミグラソースをたっぷりと。
5層構造でボリューム感満載だが、見た目ほど脂っこさがなく、デミグラソースのほどよい酸味に誘われて食べやすい。
サラダも付いて550円。「大阪府庁ライス」のネーミングも質実剛健の直球勝負だ。
隣接する大阪城公園の花見見物の前に立ち寄ったというシニア男性は、「府庁の食堂は初めてだけど、十分美味しい」と満足げに話した。
三崎さんは「できる限り手作り感を継続し、大阪産食材を使った料理も工夫したい。将来的には訪日外国人の皆さんにも来店してもらえれば」と意気込む。
日替わり定食600円、カレーライス380円、きつねうどん300円。
営業は開庁日の午前11時から午後3時。
比較的にゆったり食事が楽しめる午後1時以降の時間帯がおすすめ。
詳しくは大阪府庁の公式サイトで。
【岡村雅之】
THE PAGEより