東京都市大学工学部エネルギー化学科准教授の高津淑人(こうづまさと)氏は、廃食用油を利用したバイオディーゼル燃料(BDF)製造装置のコンパクト化につながる連続的生産法を新たに考案した。
現在、BDFの国内需要は伸び悩み傾向となっているが、アジアなど海外での展開に期待を寄せており、事業化を目指している。
同生産法は、装置に原料となる廃食油を連続的に供給する流通型とすることで従来の生産法に比べ、効率的な生産が可能となるという。
今回、同氏が開発した連続的生産法と、すでに発表済みの有害廃液を副生しない「石灰石」の触媒利用により、これまでBDF普及の阻害要因となっていた経済的合理性と有害廃液副生が解消されるという。
実証実験では、よい結果が出ており、手応えを感じているという。
当面、従来の製造装置に比べ、コストを同程度に抑えることなど課題解決に取り組む。
近年、高性能排ガス浄化装置搭載の車両が普及し、エンジンに不具合が生じる恐れからBDF100%燃料の需要家が減少。
BDF5%燃料も、製造・給油施設などのインフラが限定的な普及にとどまっているため、利用が進まない状態が続いている。
反面、地球温暖化防止など環境対策面では排出事業者側の関心は依然として高く、主要な用途の一つとみられている。
こうした情勢を踏まえつつ、同氏が注視するのは、アジアなど海外での利用普及。
現地でのエネルギーの地産地消が可能になるとみている。
循環経済新聞より