雨水を蓄え、時間をかけて地下に浸透させる緑地「雨庭」が22日、神戸総合運動公園(神戸市須磨区緑台)の球技場前に完成した。
都市部での水害を抑える効果があるといい、神戸市立工業高等専門学校(西区学園東町8)の学生らが里山の山野草や湿地性植物を活用して造成。
今後、防災教育に活用する。
都市部ではアスファルトやコンクリートの舗装が広がっているため、豪雨時に雨水が下水管に一気に流入。
河川の水位が急上昇したり、排水溝から水があふれたりするリスクが高い。
対策として、同校の高田知紀准教授(36)と5年の藤村奈生さん(20)は雨庭に着目。
昨年5月から同校と同公園が連携して造成に取り組むことになった。
昨年8月から地域住民らとワークショップを重ねてアイデアをまとめ、今月21日から市内の造園業者の協力を得て作業が始まった。
球技場前の約20平方メートルの植栽スペースに、雨水が流れ込むようパイプを引き込み、カワラナデシコなど約45種類の植物を植えた。
水が流れる部分には砂利を敷き詰めた。
最大2立方メートルの水をためられるという。
小学校と連携、都市水害について学ぶ教材として活用される。
藤村さんは、親から阪神・淡路大震災の経験を聞いたことがきっかけで防災の道に進んだ。
「幅広い世代が集い、新しい防災コミュニティーが生まれる場所にしたい」と話した。
【井上駿】
神戸新聞より