成長して着られなくなったり、転校や卒業で不要になったりした制服を再利用する動きが、兵庫県内で広がっている。
一部の高校では、PTAが卒業生らの制服を集めて後輩に提供するイベントを開催。
姫路市内に制服専門のリサイクル店もオープンした。
家計の負担を少しでも減らす取り組みが支持を集めている。
9月上旬、姫路市船丘町にオープンした制服リサイクル店「さくらや姫路店」。
同市やたつの市、太子町内の小中高校の制服に加え、幼稚園や保育園の制服、体操服、入園式用スーツなど約200点をそろえる。
価格は状態によって違い、定価の1~3割程度で販売する。
同店を運営するサンクラッド(高松市)は2011年1月に創業。
2013年から全国でフランチャイズチェーン展開を始め、姫路店は6店舗目となる。
同店代表の津田美花さん(40)は、さくらやをテレビで知り、「多くの母親を笑顔にしたい」とフランチャイズに名乗りを上げた。
事業経験はないが、同社から買い取りや販売のノウハウ、ほつれの補修などの指導を受けた。
自身も2人の子どもを持つ母親。
数万円かかる制服代に悩んだ経験から、「他の学用品にもお金が必要で、困っている家庭は多い。ニーズはある」と意気込む。
西宮市の県立西宮高校は、PTAらを中心に制服のリサイクルに取り組む。
20年ほど前に始めたが、2年前に本格化させた。
文化祭や体育祭などでブースを出して制服の提供を呼び掛け、周知を徹底したところ、昨年は集まった制服のほとんどが後輩らの手に渡ったという。
同校の担当者は「廃棄される制服が誰かの役に立ち、エコにもつながっている」と手応えを感じている。
神戸新聞より