素材開発ベンチャーのTBM(東京・千代田)は、石灰石(炭酸カルシウム)と樹脂を混ぜ合わせた新素材を原料にした紙製品を販売する。
第1弾として名刺の販売を始めた。
1箱100枚入りから販売し、年内に30万箱の売り上げを目指す。
インクジェット用紙やポスターの製品化も検討する。
石灰石を原料にした紙は、石紙(ストーンペーパー)と呼ばれる。
パルプを原料にした紙に比べると、樹木や水を使わず、環境にやさしい。
水にぬれてもインクがにじみにくく、紙のように指を切ることも少ない。
ただ通常の紙と比べて、3割ほど重いことが技術的な課題だった。
内部に気泡を取り入れる特殊な製法でストーンペーパーを製造し、紙に含まれる石灰石の量を減らすことで、通常の紙と同等の重さを実現している。
すでに約150の企業や法人に採用されたという。
このほど名刺をオーダーできるウェブサイトを開設し、個人向けにも販売できる体制を整えた。
100枚で税抜き1,250円から。
パルプを原料とする紙を1トン製造するには、約20本の木と100トンの水を使用する。
ストーンペーパーは石灰石とポリオレフィン樹脂を原料とし、木材と水を一切使用しないため、環境負荷を低減できる。
TBMは石灰石と樹脂を混ぜ合わせた新素材を製造販売する。
日本製紙で専務取締役を務めた角裕一郎氏が会長を務めている。
日経産業新聞より