太陽光発電のメンテナンスなどを実施する「三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合」(相場博理事長)が、青森県おいらせ町内に、固定型水素ステーションを開設する。
燃料電池自動車(FCV)に水素を補充する固定型の水素ステーションは北海道・東北にはなく、寒冷地対策として地中熱を活用。
寒冷地仕様の設置工事や管理に関する技術を実証・構築し、全国への発信を目指す。
19日までに、水素ステーション導入を加速する環境省の事業に採択された。
補助金1億2千万円を含め、総事業費約2億円を見込む。
来年3月末の完成、4月以降の稼働を目指す。
県によると、全国に設置されている水素ステーションの開設者は大手エネルギー会社が大半で、民間の組合組織が開設するのは全国初という。
協同組合の組合員が所有する約24アールの敷地に、自動車大手のホンダ(東京)と産業ガス大手の岩谷産業(大阪)が共同開発した「スマート水素ステーション」を開設する。
冬場は、外気を地中のパイプで温めてステーション内部に送風、凍結を防ぐ。
協同組合は、ホンダが今年3月に発売を始めたFCV「クラリティ・フューエル・セル」1台を導入する。
事業者に貸し出すほか、災害発生時に非常電源として活用する構想も描く。
ステーションで使用する電気は、東芝環境ソリューション(横浜市)の技術協力を受け、太陽光発電の使用済みパネルを再利用する予定。
協同組合と同社は6月、技術協力に合意した。
相場理事長は「大手企業と手を携え、寒冷地でも水素ステーションを稼働できることが実証できれば、燃料電池車の普及につながる。将来的にはビジネスとして成立するよう進めたい」と話している。
Web東奥より