東京湾に面し、市域の4分の3が埋立地の千葉県浦安市。
震災では液状化で被害を受けた住宅が約9,000戸にのぼり、全国の液状化被害の3割が集中した。
費用負担などがネックとなり遅れていたが、市は4月から住宅地の地盤改良工事に着手する。
工事は宅地の境界や道路を12メートルほど掘って固化材を注入し地中に壁をつくる。
効果を得るには40戸程度がまとまって実施する必要があり、区画内の全戸が工事に合意することが前提だ。
国の負担や市の補助金はあるが、1戸あたり150万~200万円かかる。
地盤調査は無料だったが、実施したのは4,103戸にとどまった。
工事は弁天地区の45戸が第1号となる。
対象地区に住む女性(75)は「子どもたちは浦安が故郷だといってくれている。しっかりと対策を施して引き継ぎたい」と話す。
ただ合意ができたのはまだ1カ所で、見通しが立たないため断念する地区もでてきた。
「うちは敷地が広いので、自己負担金が400万円といわれた。老後を考えると負担が大きい」と住民の女性(69)は話す。
浦安市はこの3年間に住民向けの説明会を400回以上開催したが「すでに個人で宅地にくいを打つなどの対策をした人もいる。合意形成には時間がかかる」(都市整備部)という。
日本経済新聞より