日本テレビが22日、同局の人気番組「笑点」を同局初の8K番組として制作したと発表して、話題を集めている。
「8K」とは、横7,680ピクセル・縦4,320ラインの映像フォーマットで、現行ハイビジョンの16倍という高精細映像。
この映像技術を駆使したスペシャル版では、通常の演芸コーナーに加え、8Kにちなんだ大喜利を含む45分の放送となる。
番組は3月8~9日、業界関係者向けの展示会「デジテク2016」で上映される予定。
「なぜ、笑点で8K?」、「8Kカメラが少ないから、『3台もあれば十分』な笑点なんじゃないの?」、「8bitでも大丈夫そうだけ?」といった声も挙がり、盛り上がっている。
1966年に放送を開始した「笑点」といえば、同局を代表する人気長寿番組。
意外にも同番組と最新水準技術とは切っても切れない関係にあり、当時多くのテレビ番組が白黒放送だった中、「笑点」はカラー放送で始まり、その後もステレオ放送やデジタルVTR規格・D2での収録など新技術を積極的に取り入れてきたことで知られている。
2014年には、「笑点特別版」として大喜利の司会を務める桂歌丸さんの落語を当時最先端だった4Kで収録する試みも行われた。
今回の8K導入について、同局の編成スタッフはこう語る。
「過去の事例でも分かるように、『笑点』はうちの看板番組の一つですし、最高水準の技術を導入するに値する番組という上層部の考えだと思います」
そのうえで、こう続ける。
「みなさんのツッコミも分かりますが、『笑点』以外のうちの番組で、ほかにどれがいいのかとなった場合、正直ピンとくるものがありません。生放送だと不慣れな機材ということで万が一トラブルになった場合はシャレになりませんし、ドラマやバラエティー番組なんかだと演者さん一人ひとりに確認をとらなくてはいけなくなるでしょうし、中には女優さんをはじめ、抵抗を示す方も出てくるでしょう。報道番組で、現地からの映像はこれまでと同じ規格なのに、スタジオだけ美しい映像を流しても意味がないですしね。やはり『笑点』こそふさわしいと思います」(同スタッフ)
「笑点」が同局初の8K番組に選ばれたのは必然のようだ。
THE PAGEより