佐賀市の秀島敏行市長はこのほど、藻類関連産業の集積地を目指し、筑波大や佐賀大と連携して藻類培養等に関する共同研究開発を行うと発表した。
同市は2014年度、農林水産省などが推進する「バイオマス産業都市」に認定。
清掃工場および下水浄化センターで発生する二酸化炭素や下水処理水を活用し、微細藻類を大量培養する事業に向け準備を進めている。
同市では、日米合弁のベンチャー企業であるアルビータ(佐賀市、松坂幸洋社長)と2014年6月にバイオマス資源利活用協定を結び、佐賀市清掃工場(同市高木瀬町)から出る二酸化炭素を活用して藻類を培養する事業の開始を決めていた。
市によると、同社が同工場の隣接地で建設を進めていた藻類培養施設は完成しており、今年夏までには操業を開始する予定だという。
同時に市は、清掃工場の北側に隣接する福田工業団地計画地内の21ヘクタールについて、藻類の培養施設として使用できるめどが立ったとして、事業申請に着手したことを発表。
実現すれば、国内最大規模の培養施設となり、新たな雇用創出に期待できるとした。
一方、市下水浄化センター(同市西与賀町)では、微細藻類のミドリムシ(学名・ユーグレナ)のバイオ燃料化を行うユーグレナなどが、バイオガス中から分離・回収した二酸化炭素を活用してミドリムシを大量培養する研究等を行っている。
今後、培養施設の新設も視野に入れ、ミドリムシから航空燃料を製造する事業などを支援したいとする。
秀島市長は1月5日の会見で、「藻類事業のさらなる可能性を模索するため、筑波大や佐賀大、地元の企業などと連携して研究施設を造ることも考えている」と話している。
藻類研究に実績を持つ大学等と連携し、研究成果や応用技術を地元産業の育成に生かしたい考えだ。
循環経済新聞より