燃費を改善する触媒の製造販売を手掛けるエコアドバンスジャパンは、ガソリンなど石油系燃料の燃費を改善する触媒「炭化水素系液体燃料活性触媒タンクタイガー」の販売を強化する。
2014年に国土交通省の推奨商材に選ばれたことを受け、大手企業などからの問い合わせが急増したのに対応。
生産体制を強化するほか、中国や東南アジアでの販売も視野に入れる。
これらの取り組みによって、現在年間1億円のタンクタイガーの売り上げを、3年以内に5億円以上までに拡大する計画だ。
タンクタイガーは同社の主力商品で会社全体の売り上げの約70%を占めている。
燃料の中の炭素分子の固まりを細分化することにより、燃焼効率を良くする仕組みで、重油、軽油、灯油、ガソリンなどに1万分の1の量を投入すれば、燃費を15~20%節約できる。
また、二酸化炭素(CO2)も大幅に削減できるため、温室効果ガスの排出抑制にも貢献する。
2008年に発売されると、主にホテルのボイラー用として販売実績を伸ばしてきた。
リーマン・ショック後の不況とも重なり、経費節減に各社が取り組んだことも追い風となった。
ホテルのボイラー向けを柱にしたのは、自動車と比べて燃料の使用量が大きく、販売効率がよいため。
ボイラー1台当たり月間5万~10万リットルの重油を使用するので、1万分の1を投入するとしても、5~10リットル分のタンクタイガーを使用する計算となる。
また1つのホテルチェーンで採用されると、全店舗に納入されるので一気に市場が広がる。
複数のホテルチェーンが導入したほか、化学、食品などの工場でも利用されている。
産業用ボイラー関係が70%以上で、20%が自動車用、残りが漁船用などとなっている。
さらに認知度を高めるため、2014年4月に国交省の新技術情報提供システム(NETIS)の推奨商材として登録された。
企業はNETISの商品を用いることでポイントが付与されて、公共工事の入札で優位になるメリットを得られる。
国交省のお墨付きを手に入れたことで、大手ゼネコン(総合建設会社)の大成建設、大林組に納入されたほか、自治体にも納品され、さらに市場が広がっている。
福島文雄社長によると「問い合わせが途切れない」といい、都内の工場での生産体制を強化して対応する。
一方で、国内での新工場設立にも数年以内に踏み切る計画だ。
【佐竹一秀】
SankeiBizより