休耕田からスキンケア商品?

 

基山町宮浦の農業、吉田猛さん(62)が自宅近くの休耕田でオーストラリア原産の大型鳥、エミュー4羽を飼い、近所の話題となっている。

 

肉や脂肪から加工品作りを計画する福岡県筑紫野市の節電器レンタル業「日本エコシステム」(藤沢博基社長)から委託され、昨年11月に始めた。

 

丈夫なため休耕田などで放し飼いもできることから、新たな地域活性化策として注目される。

 

 

 

エミューは、ダチョウに次いで世界で2番目に背の高い鳥。

成鳥は体高170センチほどに成長する。

オーストラリアでは古くから脂肪から薬を作ったり、肉を食料にしたりしているという。

 

日本でも1999年に、畜産化の試みがスタート。

東京農大が北海道で飼育や商品化を研究し、販売などを手掛ける会社を起こした。

「人間の皮膚に含まれる成分に近く、肌に浸透しやすい」と脂肪からスキンケア化粧品を作り、卵を使った菓子も販売する。

この活動を知った藤沢社長が昨年1月、商品化に向けて九州で初めてエミューの飼育を始めた。

 

藤沢社長は、休耕田などを使えば土地が有効に活用できる点に着目。

土地の所有者らに委託料を払い、育ててもらう仕組みを導入し、すでに基山町や福岡市早良区など福岡、佐賀両県の牧場4カ所で約40羽を飼育する。

 

吉田さんがエミューを飼い始めたのは、日本エコシステムが基山町に飼育者の仲介を頼んだのがきっかけ。

2012年まで米を作っていた水田約300平方メートルが空いていた。

「休耕田は中山間地にあり、農業では成り立たない。新しいことをしたかった。おとなしくて飼いやすい」と目を細める。

 

同社はエミューの数を増やす方針で、新たな飼育者を募っている。

 

 

 

西日本新聞より

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