御殿場市などが、市内で排出されたペットボトルのキャップを再利用する「御殿場油田プロジェクト」を進めている。
集めたキャップを油に変え、燃料として市内で利用することでエネルギーの“地消地産”を目指す。
油の生成のスタートとなる「採油式」が31日、同市駒門のリコー環境事業開発センターで開かれた。
産学官が連携して、優れた環境と景観を生かした町づくりを推し進める「エコガーデンシティ構想」の取り組みの一つ。
若林洋平市長が、寄せられた1,479トン分のキャップの一部を専用の油化装置に投入した。
同センターの出口裕一所長が稼働スイッチを押した。
同社は約1年間かけて、プラスチックから油を生成する技術を開発。
高熱でプラスチックを分解し、放出されたガスを水で冷却する工程で、4~5時間で油ができる。
生成した油の一部は4月に市内で開く御殿場桜まつりのライトアップの発電燃料として使う計画。
若林市長は「捨てられていたものがエネルギーに変わり利用できるのは素晴らしい。子どもから高齢者まで、分かりやすく参加しやすい事業」と意義を強調した。
環境事業に力を入れるリコーは、同構想の10プロジェクトのうち六つに関わる。
出口所長によると、使い終わったインクカートリッジから油を生成する技術の開発も進め、2年後をめどに実用化する計画という。
静岡新聞より