関東甲信越びんリユース推進協議会は環境省の採択を受け、日本ワイナリー協会などとともにワイン瓶のリユース(再使用)モデル実証事業を県内で開始した。
飲み終えたワインの瓶はそのまま再使用されることなく、再資源化される。
同協議会では「何度でも再使用する新たな循環型の経済システムに移行しなければならない時期にある」として、実証事業を通じ“瓶は公共の器”との認識をワイナリーや消費者の間に広げ、ワイン瓶の規格統一を目指す。
同協議会の宮永真彦事務局長らの説明では、国内を代表するワイン産地の県内では毎年相当数のワインが製造される。
しかし、規格統一されたリユース瓶はなく、これまで一部を除いてはリサイクルに回る“壊しては作り直すシステム”が維持されてきた。
ワイナリー間で共通使用できる規格統一瓶が普及することによって、リサイクルの手間が省け、ワイナリーの瓶代負担が減り、消費者に価格で還元できるとしている。
実証事業ではワイナリーの丸藤葡萄(ぶどう)酒(甲州市)が製造したリユース瓶を使ったワイン「ルバイヤート」をスーパーマーケットを展開するやまと(韮崎市)が県内6店舗で販売し、購入した消費者は飲み終えたワインの空瓶を店頭に返却する。
その際に消費者に瓶代金として5円を返す。
事業を通じて、回収したリユース瓶を回収業者が収集、洗浄し、ワイナリーで再び使用する循環システムを確認する。
また販売本数、回収本数、再使用本数などの実績を把握し、スーパーでは消費者にアンケートも実施していく。
リユース瓶によるモデル実証事業は来年1月中旬まで続ける。結果を基に協力団体の日本ワイナリー協会、山 梨県ワイン酒造組合と規格統一瓶の普及方策の検討に入る。
産経新聞より