横浜市は7月から、市営の福浦工場排水処理場(金沢区)の処理過程で発生する「脱水ケーキ」(汚泥)の販売を始めた。
汚泥には金や銀が含まれ、金価格の上昇に伴い、業者への売却が決定した。
これまでのように最終処分場に埋め立てる必要がなくなり、コスト削減にもつながる。
市南部下水道センターによると、この処理場は電子部品のめっき工場など17社の排水を専門に処理し、年間約300トンの汚泥を排出する。
この中には、金鉱山の採掘基準含有率を上回る1トンあたり金約3グラム、銀33グラムの貴金属が含まれる。
市はこれまで、汚泥を約600万円かけて最終処分場に埋め立てていたが、金の市場価格(1グラム4,500円程度)の上昇を受け、7月~来年3月分の約230トンを、製錬技術のあるJX金属環境(茨城県日立市)に23万円で販売した。
埋め立てや運搬などの処理費が減るため、年間で計570万円の経費削減につながったという。
同センターの担当者は「これまで捨てていたものがリサイクルされるとともに、収支改善にもなる一石二鳥の取り組み。価値ある事業として今後も続けたい」と話している。
【飯田憲】
毎日新聞より