仮設住宅建材を再利用 

 

福島県塙町は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴い建設された仮設住宅内集会所の建材を再利用して塙保育園を増築し、今月10日に供用を開始した。

 

新た11人を受け入れ、町内の待機園児を解消した。

 

県によると、仮設住宅関連施設を解体・再利用した事例は今回が初めて。

 

 

 

増築した園舎は本園舎に隣接して整備された。

木造平屋約98平方メートルで、保育室2部屋と幼児向けの男女用トイレを備えている。

三春町の斎藤里内仮設住宅敷地内にあった集会所の建材をはじめサッシ、エアコンを再利用した。

塙町によると、総工費は集会所の解体費と運搬費を含めて約1,500万円。

プレハブ1棟を新設するより300万円ほど予算を圧縮できた。

 

町は2019(平成31)年4月に幼保一体型施設「はなわこども園(仮称)」を新設する計画で、保育園整備に多くの予算を費やせない事情があった。

このため使われなくなった仮設住宅の再利用を進めている県に活用を打診。耐久性や安全性に問題がないことを確認して利用を決めた。

 

八幡繁樹園長は「避難者の方々が使っていたという思いを踏まえながら、地域の次代を担う子どもたちの保育に有効に生かしていきたい」と話した。

 

県は使われなくなった仮設住宅を新たな施設に生かそうと県内の自治体や民間事業者に呼び掛けている。

 

川内村は村内の仮設住宅48戸を村営住宅に改修して今月1日に入居を開始した。

浪江町は二本松市にある仮設住宅5棟の20戸を解体した上、10月にも町内の「いこいの村なみえ」に滞在者宿泊用のコテージとして整備する。

本宮市の仮設住宅内にあったグループホーム(入居者9人分)も浪江町の運営業者が市内の別の場所に移設を進めている。

 

県によると、昨年度から仮設住宅合わせて996戸の譲渡先を募っており、これまでに集会所、談話室を除いて77戸の受け入れ先が決まった。

今年度は3,561戸の仮設住宅を撤去する計画で、再利用に向けて譲渡先との協議を進めていく考え。

 

 

 

福島民報より

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