アルミニウム缶の国内需要が伸びている。
アルミ缶リサイクル協会(東京・中央)によると2016年の飲料用アルミ缶の出荷量は255億缶と過去最高を見込む。
背景にあるのはコーヒー缶への使用拡大だ。
かつて缶コーヒーといえばスチール缶が定番だった。
中のミルク入りコーヒーに菌が繁殖した場合、缶の膨らみで分かる。
アルミ缶飲料は強度を高める目的で内部にガスを入れるので、膨らみの判別が難しい。
業界の自主規制でコーヒーには使っていなかったが、鮮度保持技術の向上もあり、日本コカ・コーラが2014年夏に「ジョージア」を軽くて輸送コストの低いアルミ缶に転換。
他社も追随した。
蓋付きアルミボトル缶の普及も大きい。
コーヒーブームの影響で、缶コーヒーも豆や香りにこだわる高級路線の商品が増えている。
飲み口の大きなボトル缶は空けた時の香り立ちが良い。
一度に飲みきる必要がないので持ち歩きにも向いている。
高級路線の商品への導入が進み、需要が拡大した。
缶メーカーの間でもボトル缶への注目度は増している。
生産設備を増強する動きが相次ぐほか、東洋製缶が2016年末に新規参入すると発表した。
人口の減少や若年層のアルコール離れで、アルミ缶の主力であるビール缶の市場は縮小している。
業界内外のホットな視線がコーヒー缶に注がれている。
日経産業新聞より