ビールや清涼飲料の包装容器の開発を行うキリンのパッケージング技術研究所(横浜市鶴見区)は22日、環境に配慮した開発の一環として、資材メーカーのユニバーサル製缶と共同で国産最軽量となるアルミ缶を開発したと発表した。
350ミリリットル缶で約5%、500ミリリットル缶で約7%の軽量化を実現。
今月下旬から順次、市場への展開を始める。
キリンビール横浜工場・テクノビレッジ内にある同研究所ではこれまで、炭酸飲料などで使用するガラス瓶や2リットルペットボトル、段ボールなどの容器の軽量化に取り組んできた。
アルミ缶については、7年ほど前から基礎研究に着手。
350ミリリットル缶では14.6グラムから13.8グラムへ、500ミリリットル缶も18.1グラムから16.8グラムへ軽量化した。
缶の厚みを薄くしつつ、ふたには折り目をつけるなどして強度を維持。
缶全体の厚みも均一となるよう加工温度などを工夫したという。
軽量化したアルミ缶を使用した商品はキリンビール神戸工場から導入を開始し、今月下旬からビールや発泡酒などで市場へ展開。
同研究所によると、今回の技術を最大限導入した場合、製造過程での二酸化炭素排出量が年間約2万9,600トン削減できるという。
永嶋一史所長は、市場環境が激化する中、必要な包装機能の確保やブランド価値の最大化など技術的なハードルが高くなっているとして、「包装産業界のパートナーと協力し、お客さまの期待に応えていきたい」と話した。
神奈川新聞より