インフラツーリズムが大にぎわいだ。
インフラとはインフラストラクチャーの略で、社会基盤構造物という意味。
具体的には道路や通信、公共施設など、生活や産業の基盤となる構造物を指す。
そして、今、これらを見学するツアー『インフラツーリズム』に人々が押し寄せている。
全国の構造物がどのように造られ、私たちの生活にどうかかわっているのか、その裏側まで見られるのが魅力なのだ。
黒部ダムなど、すでに観光地として人気のインフラもあるが、これまであまり訪れる人がいなかった放水路や橋、工事現場などが、今、注目の的となっている。
その人気にひと役買っているのが、国土交通省総合政策局が運営している、インフラツアー専用ホームページ『インフラツーリズムポータルサイト』だ。
これには、全国の多岐にわたるインフラが載っていて、検索がしやすくなったことで訪れる人が急増した。
同局の事業総括調整官・佐藤寿延さんはこう語る。
「以前から、現場見学会は行っていましたが、“インフラツーリズム”と呼ぶようになったのは2013年からです。インフラの建設中は多くの工事関係者が訪れるため、地域経済が活性化するのですが、工事が終わってしまうと寂しくなってしまう。そこで、橋やダムといったインフラを観光資源として活用する取り組みを推進するため、全国で実施しているインフラツアーを紹介するサイトを開設したのです」
現在、国土交通省が管理しているツアーは全国で約270か所。
民間が実施しているものもあり、未掲載のものを含めると1,000件以上に及ぶ。
料金は、一部有料のものもあるが、ほとんどが無料で施設内や構造部を見学することが可能だ。
「インフラツアーの魅力はなんといっても非日常感。実際に足を運ぶことで、そのスケールが体感できます。それに、私たちの暮らしや安全を支えるダムやトンネルが、どのように造られ、どんな働きをしているか、その裏側に触れることもできるんです。
また、施設の近くには資料館もあり、昔、どのような目的で造られたか、そこに費やされた年月や技術などを知ることで、
“これほどの歳月をかけて、造ったのか”
“こんな新技術を開発し、こんな短期間で造ったのか”
などと、ロマンを感じる人も多いんです」(佐藤さん)
インフラは大自然の中に存在することも多く、避暑にもおすすめ。
NEWS ポストセブンより