大原硝子店(本社・名古屋市、大原千重子社長)はガラスびん再資源化事業で、最大5色の色別カレットを年間8万トン生産していることを明らかにした。
ガラスびんを再びガラスびんにする“びんtoびん”=高純度再資源化を中心に、グラスウール向け原料加工など複数の事業を手掛ける。
大原照平専務は、「ガラスびんメーカーのオーダーに応じた色調のカレットを調合できる技術で、世界にも例がないだろう。“びんtoびん”への理解を広げ、さらに生産量を増やしたい」と述べている。
1946年にカレット販売で創業し、1997年に現在主力の岩倉工場を竣工して以来、技術革新を続けてきた。
自治体や企業での自前の色選別をしてもらい、同社岩倉工場でさらに多段の異物除去、色選別にかけており、透明色、茶色のほか緑色や黒色などのカレットを得ることができる。
岩倉工場ではまず、搬入したびんに混入した大径のごみ(異物)を手選別で除去し、独自のドライ式ラベル剥がし機でラベルを除去する。
二次工程では、磁選別機で鉄系キャップを除去し、ふるい機でラベルや樹脂キャップ、非鉄金属除去機でアルミキャップを取り除く。
“びんtoびん”向けの高純度原料をつくるためには、さらに細かい異物除去と異色ガラスの選別除去を行う。
赤外線透過式精製機で陶磁器や石、金属、画像処理精製機で陶磁器と耐熱ガラスを除去し、金属探知器にかけて微細な金属片を取り除く。
最後の仕上・品質工程では、再び画像処理精製機で異物を除去しつつ、びんメーカーのオーダーに応じた色調のカレットにする。
ハードの技術開発とともに、今後は製造部門を一層強化し、業界のリサイクル率を高めるため生産量を増やしていく計画だ。
循環経済新聞より