都水道局は2日、朝霞浄水場(埼玉県朝霞市)で、水道水を消毒する塩素をつくる工程で発生する水素を、エネルギーとして再利用する実験を新年度に始めると発表した。
水素で動く燃料電池車(FCV)向けに供給し、二酸化炭素(CO2)の排出量削減につなげる。
こうした試みは全国初という。
また、将来的に水素を燃料とするトラックが開発されれば、給水車などに導入。
災害時にガソリンなどの燃料供給が途絶えたとしても、被災地に飲料水を提供できる態勢を整える。
局によると、朝霞浄水場には、塩水を電気分解して消毒用の塩素(次亜塩素酸ナトリウム)をつくる施設があり、製造過程で大量の水素が発生するが、これまでは利用方法もなく、大気中に拡散させていた。
計画では、この水素を圧縮保存するための設備を建造し、燃料として都内の水素ステーションに供給。
実現すれば、年間3千台分のエネルギーを供給できるという。
局では、特に給水車や緊急車両の非常用燃料にできる点に着目しており、「実用化が確認できれば、都内にある他の浄水場にも導入したい」としている。
産経新聞より