最新のデジタル家電やITの総合展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン2015」が7日、千葉市の幕張メッセで開幕した。
京都と滋賀の大手メーカーは、多様な機器がインターネットでつながる「インターネット・オブ・シングス(IoT)」の時代を見据え、新たな技術や製品を発表した。
ロームグループのラピスセミコンダクタ(横浜市)は、紙と軽量チューブで作った全長70センチの折り鶴型無線操縦飛行機を飛ばして会場を沸かせた。
翼を羽ばたかせ、旋回した。
ベンチャー企業と共同開発した。
消費電力を大幅に抑えた小型マイコンや通信用半導体を組み合わせた重さ3グラムの基板を搭載した。
電池を含む総重量はわずか31グラムという。
村田製作所は、福井県鯖江市の眼鏡メーカーなどと家電を遠隔操作できる眼鏡「スマートグラス」を出展した。
レンズに重ねた薄型ディスプレーの表示を見ながら、柄部分のセンサーで対象家電の電源入力や音量調節を可能にした。
児堂義一センサ事業部長は「眼鏡はほんの一例だが、IoTではこうした価値創造が重要になる。アイデア次第で事業の可能性は広がる」と強調した。
各社は、さらなる成長が期待できる車載部品の展示も一段と拡充した。
京セラは昨年に続き実演用の運転席を設け、高画質の車載カメラやボタンを押す時に触感が指に伝わるタッチパネルなどで運転操作を手助けする技術や製品をPRした。
2017年3月期に車載部品事業の売上高を3千億に伸ばす目標を掲げる。
山口悟郎社長は「幅広い部品を複合し、システムとして供給できることが強みになる」と目標達成に自信を示した。
ニチコンは、トヨタ自動車の燃料電池車に搭載した蓄電池から家庭に給電するシステムなどを発表した。
日本電気硝子は、スマートフォン画面向けに衝撃への耐性を高めた化学強化ガラスをカーナビ画面に応用してアピールした。
昨年、人間と対戦できる卓球ロボットで注目を集めたオムロンは、球の軌道を予測するプログラムを加えて進化させた。
球の位置や速度、空気抵抗などを瞬時に計算し、台上に表示した落下予測地点から誤差10センチ以内で返球して見せた。
同社は「人の動作を予測することで、危険を回避する技術として応用できる」とPRした。
シーテックは電子情報技術産業協会などが主催し、国内外の531社・団体が参加している。
10日まで。
京都新聞より