尼崎南部の北堀運河「キャナルベース」(尼崎市道意町6)を発着場に、工業地帯を運河から眺める「尼崎運河クルージング」が5月30日に行われた。
同イベントはNPO法人「尼崎21世紀の森」と「尼崎南部再生研究室」が共催している恒例の運河ツアーで、毎年初夏と秋の2回催行している。
市南部に広がる工業地帯や全国的にも珍しい2枚扉の水門をもつ尼崎閘門(こうもん、通称「尼ロック」)を間近に見物できるとあって、毎回人気を呼んでいる。
航路は北堀運河から蓬川(よもがわ)をたどり、尼ロックから外海に出た後、旧左門殿川(さもんどがわ)を遡上(そじょう)して戻る50分のクルージング。
10時から17時までに7便が運航され、中には満席の便も。
各便には資格を持つ「キャナルガイド」が同乗し、見どころをユーモアたっぷりに解説。
乗客たちはガイドのトークに聞き入りつつ、水上から見上げる大きな工場や水門、湾岸高速の鉄橋に歓声を上げた。
親子3人で市北部から訪れていた参加者は「普段、工業地帯を訪れることが無く、初めて目にするものばかり。運河があることも知らなかった。ガイドの話も面白かった。次は工場夜景も見てみたい」と話した。
同NPOの理事、阿部利雄さんは「同イベントを始めておよそ10年。以前の運河は遊歩道があっても誰も来ない場所だったが、今はキャナルベースを拠点に水質浄化やエコ活動も行われ、運河や河川への関心が高まってきた。キャナルガイドも10人以上育ってきている。次回の運河クルージングは11月初旬の『うんぱく(尼崎運河博覧会)』で企画予定。
より多くの人に体験してもらい、運河を楽しんでほしい」と期待を寄せる。
尼崎経済新聞より