2011年09月08日
【縁】 後編
さて昨日の続きをお送りしましょう。
だらしないと思っていた少年がとんでもない
人生を背負っていた事を知った先生は…。
放課後、先生は少年に声をかけた。
『先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなた
も勉強していかない?
分からないところは教えてあげるから』
少年は初めて笑顔を見せた。
それから毎日、少年は教室の自分の机で予習復習
を熱心に続けた。
授業で少年が初めて手をあげた時、先生に大きな
喜びがわきおこった。
少年は自信を持ち始めていた。
クリスマスの午後だった。
少年が小さな包みを先生の胸に押しつけてきた。
あとで開けてみると、香水の瓶だった。
亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。
先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ね
た。
雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、気
がつくと飛んできて、先生の胸に顔を埋めて叫ん
だ。
『ああ、お母さんのにおい!きょうは素敵なクリ
スマスだ』
少年が6年生に進級した時先生は少年の担任では
なくなった。
卒業の時、先生に少年から一枚のカードが届いた。
『先生は僕のお母さんのようです。
そして、いままで出会った中で一番すばらしい先
生でした』
それから6年。またカードが届いた。
担任してもらって、とても幸せでした。
おかげで奨学金をもらって医学部に進学すること
ができます』
それから10年を経て、またカードがきた。
そこには先生と出会えたことへの感謝と、父親に
叩かれた経験があるから患者の痛みが分かる医者
になれると記され、こう締めくくられていた。
『僕はよく5年生の時の先生を思い出します。
あのままだめになってしまう僕を救ってくださっ
た先生を、神様のように感じます。
大人になり、医者になった僕にとって最高の先生
は、5年生の時に担任してくださった先生です』
『母の席に座ってください』と一行、書き添えられ
ていた…。
この話はYou Tubeでも紹介されています。
http://www.youtube.com/watch?v=vatH6okFwW8
いかがだったでしょうか?
とんでもなくだらしないと思っていた少年が実は
小さな体で重い人生を背負っていて、それを知っ
た先生は偏った見方をしていた事を反省し、そこ
から真剣に少年と向き合った結果、少年の人生を
変えてしまう存在になりました。
お互いにとってハッピーな人生になったと思います。
自分の周りを見渡した時、嫌な奴だと思って敬遠し
ていませんか?
相手の欠点だけを見てその人本人を評価する事は不
幸な事です。
『美点を凝視する』しっかりいいところを見つけて
向き合う事が大切で、自分と関わる人たちが何らか
の【縁】で繋がっている事を教えてくれたのでは
ないでしょうか?