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2006年09月11日
ヒートアイランド抑制舗装(東京電力)
東京電力は、横浜市中区の市道で、石炭火力発電で発生する石炭灰を再生利用した、路面冷却効果の持続性を大幅に向上させる「ヒートアイランド抑制舗装」の実証試験を行っている。
石炭倍に付加価値を与える取り組みとして注目される。
これまで、同社の技術開発本部の敷地内でフィールド実験を実施してきた。
今回は、横浜市道路局の協力の下、市内の市道(生活用道路:長さ113㍍、幅6.1㍍、700平方㍍)に、ヒートアイランド抑制舗装を実施。
路面温度を計測するなど、本格的な実証試験となっている。
同舗装は、石炭灰に添加材を加えて水と混ぜて反応させた組成物が①水を保水②熱を貯めにくい③色が淡色――の3つにより路面の高温化を抑制する機能を持たせたもの。
保水性石炭灰アスファルト舗装(上層)と保水性石炭路盤層(下層)の2層構造で構成されている。
上層にはアスファルトの空隙部(全体の20~25%)に石炭灰と石膏など数種類の添加剤を配合して作る保水材が充填されており、雨水などの水分を保水する機能を持つ。
フィールド実験では、上層の厚さが5㌢の場合、蓄えられる水分量は1平方㍍当たり5~6㌔㌘程度。
一方、下層は、石炭灰に少量の石炭を添加し、固化した後、細かく砕いた砕石を利用した路盤層。
保水するとともに、地中の水分を吸収する機能を持つことから、水分を長期にわたり豊富に蓄えることが可能となる。
フィールド実験では、下層の厚さを10㌢とした場合、保水量は同約49㌔㌘で、上層の8~10倍に及ぶという。
昨年夏に行った実験では、特に水を加えなくても温度を抑制。
一般の舗装と比べ、最大10℃くらいの差がでた。
保水されていれば、芝生と同等(15~20℃の差)の効果が得られる。
今回の実験では、通常型、簡易型のヒートアイランド抑制舗装、一般的な密粒度舗装の3つを実施。
通常と簡易型のヒートアイランド抑制舗装の保水石炭灰アスファルト舗装にそれぞれ3カ所、一般的なアスファルト舗装に2カ所、路面から深さ1㌢の位置に温度計を設置。
15分間隔で路面温度を計測する。
実験は、9月末まで実施。
路面の冷却効果の傾向をみて、材料や施工性の面から改良を考える方針。
同社では、通常の保水性舗装に比べて安価になるとしており、今後も行動で展開していく考え。
循環経済新聞より
投稿者 トリム : 2006年09月11日 14:46