« 循環交付金の存続を要望(日本廃棄物団体連合会) | メイン | 環境展示会(高島屋) »
2005年08月08日
違法伐採問題に動く(アスクル)
6月17日、オフィス用品通販大手のアスクルは、主力商品であるコピー用紙の調達方針の策定を公表した。
リサイクルパルプと、森林認証を受けたパルプ、適切に管理された二次林または植林パルプを原料としたコピー用紙を優先的に調達する。
アスクルは昨年から、コピー用紙の生産履歴の追跡調査を実施してきた。製紙会社に対して「原材料調査確認票」を提出させるなどして、調達方針を守るための仕組みを作った。
同社を動かしたのは、インドネシアの違法伐採問題だ。
コピー用紙の調達先であるインドネシア製紙最大手のアジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)が環境NGO(非政府組織)のWWFなどから違法伐採への関与が指摘されていたのだ。
WWFは、貴重な生態系をはぐくむインドネシアの自然林を守る見地から、違法伐採の中止を訴えてきた。
APPが抜本的な対策を取らないために、WWFはその調達先である日本の企業に取引の再考を迫った。
WWFジャパンは、各社の担当者をインドネシアに招き、違法伐採の現場を上空から視察してもらうなどして働きかけた。
危機意識を高めたアスクルは、WWFジャパンの助言を参考にして、生産履歴の追跡調査票や原材料調査確認票を作成した。
まさに、違法伐採を防ぐ森林保護の観点から、NGOと企業が協力してコピー用紙の調達を見直したのだ。
アスクルは、合法性を確認できないAPPの工場からの調達を切り替え、NGOから評価を得た。
日経エコロジー9月号より
投稿者 トリム : 2005年08月08日 14:19