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2014年07月25日

但馬の豊岡劇場

2年前に閉館した但馬唯一の映画館「豊岡劇場」(兵庫県豊岡市元町)が、早ければ年内にも復活する。

有志でつくる「豊劇(とよげき)新生プロジェクト」が、映画上映だけでなく、音楽や芸術の発信・創造拠点としての空間づくりを計画。

インターネット上で小口の投資を広く募る「クラウドファンディング」で改装費を集める計画だ。


豊岡劇場は、市街地が焼け野原となった北但大震災(1925年)の2年後に、復興建築群の一つとして建てられ、オープン時は芝居小屋だった。
「豊劇」の愛称で親しまれたが、近年はレンタルビデオの普及などで赤字が続いた。
映画配給のデジタル化が決定的となり、2012年3月に閉館した。

劇場再開のプロジェクトは、同市日高町の不動産業石橋秀彦さん(45)が代表を務める。
2012年11月には一日限定の上映会も企画した。
妻未来子さん (29)がデザインなどを担当し、野外音楽イベントを開いてきた伊木翔さん(27)がプロジェクトリーダーとして加わっている。

構想では、約200席の大ホールはそのまま活用し、小ホールは無料で使える多目的スペースとする。
ロビーはカウンターを設けてカフェバーに様変わりさせる。
経営断念の要因となったデジタル化への対応は中小企業庁からの助成を申請し、映写機などを導入できることになった。

さらに、兵庫県立大経営学部と協力し、ビジネスモデルの提案や市場調査を進める。
地元だけでなく、全国各地から音楽や芸術に取り組む作家たちが集まることを目指している。

石橋さんは「中学生のころに映画を見たこの地で、再び見たいという思いが強い。大衆文化のシンボルだった貴重な豊劇を、新しいものづくりの拠点にしていきたい」と話している。

「クラウドファンディング」は、芸術分野などの取り組みの資金調達を仲介するホームページ「モーションギャラリー」で呼び掛けを始める。
小ホールの改装費用を主な寄付対象として11月まで募る。
【若林幹夫】

神戸新聞より

投稿者 trim : 2014年07月25日 11:40