« 麓から電力供給へ | メイン | 見学施設をリノベーション »
2014年07月09日
「朝型勤務」普及へ
政府は、午前8時前の早朝から夕方までの「朝型勤務」の普及に向け、導入に関心を持つ企業を対象にした無料相談窓口設置の検討に着手した。
深夜残業を抑制し、労働生産性を向上させるとともに、女性の仕事と子育ての両立を後押しする狙いがある。
厚生労働省が関連予算を2015年度予算の概算要求に反映させる見通しだ。
6月に閣議決定された新成長戦略には、働き過ぎを防止し、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進するため、朝方の働き方の普及に取り組む方針が盛り込まれた。
政府は今秋再開する政労使会議や、厚労省の労働政策審議会などで朝方の働き方普及に向けた課題や必要な施策などを議論する方針だ。
無料相談窓口は各地の労働局に開設し、労務管理に詳しい専門家を「働き方・休み方改善コンサルタント」として配置。
早朝勤務導入の成功事例を紹介するほか、業種に応じた適切な労働時間の見直しについて相談に乗る。
政府は今後、国内外の成功事例の調査も始める方針だ。
経済産業研究所が2011年3月に公表した調査によると、午前8時前に仕事を始める正社員の割合は日本の7.0%に対し、ドイツは46.7%、英国は20.6%。
一方、午後5時前に仕事を終える正社員は日本が3.7%に対し、ドイツは51.1%、英国は36.7%となり、日本の正社員は欧州に比べて残業が多いことが裏付けられた。
国内では伊藤忠商事が昨年10月に試験的に実施した「朝型勤務シフト」の結果、残業代は約5%減少。
保育所への送迎が楽になるなど「子育てがしやすくなった」といった声も寄せられたという。
同社は5月からこの勤務体制を本格導入。
午後8時以降の深夜残業を原則禁止とする一方、午前5~8時の早朝勤務に割増賃金をつけている。
ただ、日本で全社的にこうした取り組みを行う企業はわずかだ。
政府は朝型の働き方普及による働き過ぎの防止を労働分野の改革の重要施策と位置づけており、窓口での相談を適正な労働環境確保につなげたい考えだ。
SankeiBizより
投稿者 trim : 2014年07月09日 11:18