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2014年06月24日

「よろず支援拠点」始動

全国の中小企業・小規模事業者の数は、2012年時点で385万。
企業全体の99.7%を占める。

このため政府の成長戦略でも、日本経済の成長には中小企業の活力が欠かせないとして、「中小企業・小規模事業者の革新」が明確に位置づけられている。

しかし、景気回復が進む中で中小企業と小規模事業者を取り巻く環境は、依然として不透明な状況が続いている。

こうした現状を踏まえて、経済産業省は全国47都道府県に「よろず支援拠点」を設置。
銀行など地域の支援機関と連携しながら経営相談に応じていく。
この動きを全面的にバックアップするのが中小企業基盤整備機構だ。

中小企業・小規模事業者からの相談に対応する既存の支援機関は、地域ごとに支援の水準が異なるという。
このため、よろず支援拠点の開設は、「『誰に相談すればよいのかよく分からない』というのをなくすこと」(北川慎介・中小企業庁長官)を最大の目的としている。

今回のプロジェクトの司令塔的な役割を果たすのは「よろず支援拠点全国本部」。
本部長には同機構の高田坦史(ひろし)・理事長が就任した。
全国10カ所には地域本部を置く。

全国本部には「アドバイザリーボード」を設置する。
ボードには約7人から構成されるコアメンバーがおり、各拠点に配属されるコーディネーターを対象にした研修企画などについてアドバイスを行う。
また、ものづくり・IT(情報技術)、地域資源活用、海外展開などテーマごとに2人ずつ選定し、12人程度のスタッフによるサブメンバーも用意する。
プロジェクトにかかわる専門家群は4,000人に上る。

業務は大きく3つによって構成されている。
その一つが「総合的・先進的アドバイス」。
企業の強みを分析した上で、新たな顧客獲得などにつなげるアドバイスや海外への進出支援などを行う。
また、会計書類の未整備や資金繰りの悪化など中小企業が抱える複数の経営課題に対して、税理士や金融機関などによるチームを編成し、サポートを行う。
もう一つがワンストップサービスだ。

中小企業庁の北川長官は「中小企業の悩みは複雑・高度化している。各自治体はそれぞれ有益な支援策を実施しているはずなので、金融機関、税理士、コンサルタントなどをうまく結びつけてネットワーク化すれば、もっと力を発揮できると思う」と、よろず支援拠点の働きに期待を寄せる。

一方、中小企業基盤整備機構の高田理事長は「中小企業の支援策で歴史的転換点を迎えたと認識している。『日本の将来はこの事業を成功させなければない』といった思いで臨んでいくことが必要」と語っている。
【伊藤俊祐】

SankeiBizより

投稿者 trim : 2014年06月24日 11:14