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2014年02月06日
染色汚泥が松守る
繊維を染色する際に発生する汚泥を再利用したセラミック素材に、松枯れを抑制する効果があることを、石川県立大の長谷川和久客員名誉教授のグループが5日までに確認した。
この素材を混ぜた土壌でマツの苗を育てたところ、通常の土で栽培した場合と比べて枯死が半分以下に抑えられた。
県内では兼六園のほか、防風林やゴルフ場などで松枯れが深刻化しており、地場産業の廃棄物を地域の課題解決に役立てたい考えだ。
松枯れは、マツノザイセンチュウの浸食や酸性雨による樹勢の衰えなど、複合的な要因で発生するとされる。
これまでは枯れた部分を伐採したり、薬剤を注入して補修したりしてきたが、多大な経費や手間が掛かり、効果も局所的だった。
長谷川客員名誉教授らは、マツの生育を促す実験で、小松精練(能美市)が、染色排水を浄化する過程で生じる汚泥を再利用した緑化基材「グリーンビズ」を使用した。
植木鉢に普通の土と、粉末状のグリーンビズを混ぜた土を入れ、兼六園で採った松ぼっくりから生えたマツの苗を約半年間育てたところ、普通の土では10本中8本が枯れたのに対し、グリーンビズを混ぜた土では10本中7本が育った。
長谷川客員名誉教授によると、グリーンビズは土壌の通気性や透水性を高めるため、土壌中の微生物が活性化し、養分が豊富になっって松苗の生育を助けたとみられる。
長谷川客員名誉教授はこれまでにも、稲や野菜、ツバキなどの栽培でグリーンビズを活用し、生育と品質向上に効果があることを確認している。
将来的には、松枯れが進む防風林などでマツの育成効果を確認する予定で、「どれだけの量を使うと効果が高いかなどを検討し、実践していきたい」と話した。
北國新聞社より
投稿者 trim : 2014年02月06日 10:03