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2013年11月29日
北陸発、和の空間
2015年3月の北陸新幹線金沢開業に合わせ、JR東日本と西日本が共同開発した新型車両が28日、宮城県内で報道陣に初めて公開された。
両社が培ってきた新幹線技術を結集し、乗り心地の良さや安全対策、省エネ性能を進化させた車両で、テーマは「“和”の未来」。
漆や金箔(きんぱく)を思わせる内装を随所に施したほか、最上級のグランクラスでは入り口に石川県の「郷土の花」であるクロユリを描くなどし、北陸の魅力を際立たせた。
公開されたのは、JR東の新幹線総合車両センター(宮城県利府町)で整備が行われている第1編成。
1編成12両で、揺れを軽減する新型装置を導入したほか、乗客の利便向上のため新幹線で初めて普通車(853席)、グリーン車(63席)、グランクラス(18席)の全座席に電源コンセントを設け、快適な旅の環境を整えた。
グリーン車と、さらに上級のグランクラスには、ボタン操作で背もたれを倒せる電動リクライニングシートを導入。
グランクラス入り口の「飾り柱」にはクロユリのほか、富山の県鳥であるライチョウなどを描き、和の美意識を表現した。
照明は新幹線で初めて全車両に発光ダイオード(LED)を採用し、消費電力を長野新幹線のE2系と比べ44%削減するなど、環境面に配慮。
線路上の雪を跳ね飛ばす先頭車両下部の排障ゴムを強化し、地震時に短時間で停止できるようブレーキ性能を向上させるなど、安全面も一層充実させた。
北國新聞社より
2013年11月28日
箱根に「ヱヴァ」デザインの充電スタンド
パナソニックの事業カンパニーであるエコソリューションズ社が、映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」に登場するキャラクターおよび機体をモチーフにしたEV(電気自動車)用充電スタンド「ELSEEV(エルシーヴ)」を箱根町に設置した。
電気を動力源とするヱヴァンゲリオンと電気自動車のイメージを重ね、箱根地区専用のエヴァンゲリオンモデルとしてデザインされた同充電スタンド。
箱根町は、ヱヴァンゲリオンの舞台である「第3新東京市」のモデル地域で、これまで継続的に同作品とコラボレーションした観光プロモーションを実施し、ヱヴァンゲリオンと密接な関係にある。
箱根町は、「環境先進観光地」を目指して「箱根EVタウンプロジェクト」を立ち上げており、環境貢献と電気自動車を活用した取り組みを積極的に行ってきた。
箱根地区専用デザイン「ヱヴァンゲリオン初号機」は道の駅「箱根峠」(箱根町箱根)に、「ヱヴァンゲリオン2号機」は「箱根町立箱根湿生花園」(箱根町仙石原)に、それぞれ設置。
同社宣伝・広報グループ東京広報チームの龍田洋一さんは「箱根地区専用モデルの『充電スタンド『エルシーヴ』の設置をきっかけにして公共施設や自治体とリンクしながら展開していきたい」と話す。
小田原箱根経済新聞より
2013年11月27日
「エコ素材」の代償
10年ほど前に「環境に優しい」素材として普及した生分解性プラスチック製の住民向けカードの破損が相次ぎ、自治体が回収に追われている。
住民の手元に残るのは、判明分だけでも14万枚以上。
自動交付機の中で粉々になって交付機が使えなくなる事態も生じ、関係者は「エコ素材」の代償に頭を悩ませている。
問題になっているのは、自治体が住民向けに発行する住民票の写しや印鑑登録証明書、税証明書などの交付カードで、役所での窓口提示や自動交付機で、住民票の写しなどを取得できる。
ただ、カード素材に生分解性プラスチックが使われた時期があり、混乱を招いている。
東京都杉並区では、2001~2004年度に発行した「住民票・税証明カード」など2種類のカードを持つ区民約1万人に対し、10月下旬、無料交換を呼び掛ける文書を郵送した。
区によると、発行から数年たった頃から、「家に置いているだけなのに割れた」とカードを窓口に持参する区民が出始め、自動交付機の中で粉々に砕けたケースもあった。
カードには「生分解性の素材を使用した環境にやさしいカード」などと書かれ、その強度が原因と分かり、2005年度から別の素材に切り替えたが、4年間の発行総数は21万枚に達し、今も約3万枚は区民が持っているはずだという。
区は「迷惑をかけて申し訳ない」と話す。
読売新聞より
2013年11月26日
50メートルの藤棚
能登半島振興推進協議会(事務局・七尾商工会議所)は、JR和倉温泉駅に長さ約50メートルの藤棚を設けて、花による誘客に乗り出す。
25日までに鉄製の藤棚が完成し、来年3月にも藤を植樹する。
北陸新幹線金沢開業後の観光客の増加を見据え、同温泉の新名所に育て、観光客をもてなす考えだ。
藤棚は高さ2.8メートル、幅1.6メートルで、同駅の下りホームに、車窓からも花を楽しめる高さで設置された。
早ければ5年ほどで見ごろになる見込み。
藤を選んだ理由は、5月の青柏祭に登場する日本一の山車(だし)「でか山」の骨組みの固定に藤つるを使っており、七尾とゆかりがあることや、花言葉「あなたを歓迎します」が、和倉温泉を訪れた観光客の歓迎にふさわしいと判断したため。
藤棚の下には、花壇も設け、和倉温泉街にぎわい再生協議会女性部会やJR職員のOBらと協力して花を植え、駅に彩りを添える。
藤棚設置は、能登半島振興推進協議会の「能登のふるさと鉄道活性化プロジェクト」の一環として行われた。
のと鉄道田鶴浜駅では枕木を再利用した花壇が設けられ、能登中島、笠師保の両駅でも新たな花壇が完成し、和倉温泉駅以北の各駅で花による誘客策に取り組んでいる。
同推進協議会は「観光客が癒やされる駅にしたい」としている。
北國新聞より
2013年11月25日
「スーパーマーケット・ミュージアム」
食品スーパーマーケットを展開するサミット(杉並区)は11月20日、スーパーの業務や食品の流通などが学べる体験型ミュージアム「スーパーマーケッ ト・ミュージアム」を期間限定でオープンした。
同社1号店で閉店した旧野沢店の建物を使った「学習館」と、同日、隣接地に増床移転した「サミットストア野沢龍雲寺店」の店内を見学する「体験館」の2つで構成する同ミュージアム。
今年10月に創業50周年を迎えた同社が、「地域のお客さまに感謝の気持ちとして何かできることがないか」と数年前から企画実現したものだという。
両館とも、主に小学生を対象にした展示・プログラム内容。
学習館(展示面積=約920平方メートル)1階は、スーパーで扱う商品の種類や衛生管理、店内構成などについて写真パネルや模型を使って説明。
中でも、店頭売り場とレジを再現した「POSレジ体験とバーコードのひみつ」では、来館者が本物のレジ打ち体験ができ、バーコードの仕組みについて学べる内容となっている。
同館・地下1階では、同社が取り組む資源回収や循環型リサイクル、主な商品がどのように加工されて売り場に並ぶのかなど写真付きパネルで説明。
そのほか、「手描きPOPづくり」「おかいものリストづくり」などの体験コーナーも設ける。
実店舗見学スタイルの体験館(店舗面積=約2,200平方メートル)は、売り場を自由に見て歩く「フリーゾーン」と、事前申込制プログラム「スーパーマーケットのひみつ発見ツアー」がある。
店内加工・店内調理を強化した新店舗は、1階ベーカリーと総菜の両売り場からバックヤードが見える造りで、目の前で調 理工程を見ることができる。
予約制ツアーでは、同店地下にある精肉・鮮魚作業場でのスライサーやノントレー包装機による加工作業や、マイナス0度・20度の冷凍庫なども見学できる。
「スーパーマーケット・ミュージアムは(学習館・体験館の)二つで一つのミュージアム。
スーパーの歴史を振り返るだけではなく、食の大切さ、スーパーの魅力を伝えることで日本の未来づくりに貢献したい」と同社・田尻一社長。
開館時間は両館とも10時~18時。
入場無料。
来年1月26日まで。
自由が丘経済新聞より
栽培畑の上で太陽光発電
NPO法人ビルトグリーンジャパン(山形市、荒井正幸理事長)は12月から、宮城県東松島市で農業と発電を一体的に展開する営農型太陽光発電の実証実験に取り組む。
農地を立体的に活用する試みで、栽培畑の上に太陽光パネルを設置。
発電効率と、ハーブ類などの農産物の生育状況を調査、農作業と発電事業の両立による農村基盤の強化につなげる考えだ。
復興庁の「新しい東北」先導モデル事業の採択を受けて展開する。
田畑で作物を栽培して同時に太陽光発電もする「ソーラーシェアリング」の有効性を検証。
広い農地をエネルギー生産にも活用することで、農村の産業基盤を1次産業とエネルギーの二本柱とする狙いだ。
モデルケースを確立することができれば、「被災地だけにとどまらず、農村全体の活力につなげることができるはず」と荒井理事長。
実証実験は、現地の農家から農地を300平方メートル借りて展開する。
高さ2メートルほどの位置に太陽光発電設備を設置。
その下の農地で農作物を栽培する内容だ。
検証するのは▽基礎工法▽発電効率▽生育状況―の3項目。
農地と発電設備の空間を有効に活用するため、設備の支柱と基礎にスチール製パイプを用いる。
雪害など自然災害にも対応する強度の確保を目的に、基礎工法の研究に取り組む。
設備の両面に太陽光パネルを配置して発電効率を検証。
「雪のハンディが指摘されるが、積雪の反射光による発電効果も実証できるはず」と期待する。
また農地の日照不足が懸念されるため、ハーブ類やコマツナなどの栽培を通じ、日照量などの生育環境について調査する。
農村を取り巻く環境は厳しく、過疎化や高齢化の進展により集落の存続を危惧する声が強まっている。
荒井理事長は農業とエネルギー事業が融合することで、「農村は大きく変化するのではないか」と見通し「収入面の効果に加え、農家が団結すれば発電所にもなり得るので、雇用創出にもつながり活力が生まれるはずだ」と期待する。
同NPO法人は環境コンサルティングを手掛け、各地で環境技術の研修セミナーなどを展開している。
山形新聞より
2013年11月22日
「江戸っ子1号」日本海溝に向けて出港
東京の町工場を中心に深海探査ロボットの開発を行う「江戸っ子1号プロジェクト」は11月21日、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の海洋調査船「かいよう」に探査機を搭載し、横須賀港から房総沖の日本海溝に向けて出港したと発表した。
同プロジェクトは、東大阪の「まいど1号」に刺激を受けた東京の町工場を中心とした中小企業4社(杉野ゴム化学工業所、浜野製作所、パール技研、ツクモ電子 工業)と、開発支援などを行う東京東信用金庫、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、芝浦工業大学、東京海洋大学の8者が協力する形で商業探査機を開発し、8000mを超える深海探査にチャレンジしようというもの。
今回の挑戦では、3Dカメラでの深海生物の撮影や海底の泥の採取などを目指すほか、深海探査機の回収を行い、実際に採取した泥の解析なども行う計画としている。
なお、かいようの帰港は11月24日が予定されている。
マイナビニュース
2013年11月21日
折れたバットで素振り用具開発
京都府井手町在住の男性が、折れた木製バットを再利用した独自の素振り練習用具の製造に取り組んでいる。
「子どもにホームランを打つ喜びを味わってほしい」との願いから試行錯誤を重ねて開発した。
「よいスイングを身につけられる」と、徐々に利用が広がっているという。
「ベースボール・サイエンス・ラボラトリー」の野田竜也さん(44)が、6年ほど前から作り始めた。
スイングすると、ステンレスの芯に付いた二つの重りがバットの先端に移動する仕組み。
振ると重りが先端に当たる音が「カチン、カチン」と2回するが、バットに力をうまくためて自然なスイングをすると音は1度しか鳴らない。
よいスイングを身につけたり、打撃フォームをチェックするのに適している、という。
自身は本格的な野球経験はないが、長男(19)が小学生で野球をしていた時に「ホームランを打つ喜びを感じてほしい」と、折れたバットを使って独自の用具づくりを始めた。
たまたま重りを二つ入れた用具を作り、知り合いの同志社大野球部の学生に試してもらったところ、振り出しでバットをうまく加速させる良いスイングでは音が1回しか鳴らないことが分かり、手応えを得た。
ここ2、3年に少年野球や社会人野球の選手から注文が入るようになり、今年のドラフト会議で巨人に1位指名された日本生命の小林誠司選手(同志社大出身)も使っていたという。
野田さんは「おかげで、自分の子どものホームランも見ることができた。音に注意して練習をしてもらえれば、ミートポイントで力がうまく伝わるようになる」と話している。
1本1万5千~1万8千円。
京都新聞より
2013年11月20日
ISSは11/20で15歳に
国際宇宙ステーション(ISS)が11月20日に誕生15年を迎えたことを記念して、「World-Wide Wave」を開催。
世界標準時午前0時(日本時間午前9時)からNASAやJAXAなどが1時間おきに、Webサイトへお祝いメッセージを伝える。
ツイッターアカウントをもっている人にも参加を呼びかけている。
ISSは、平成10年(1998年)11月20日に最初のモジュール「Zarya(ザーリャ)」を打ち上げて以来、日本、アメリカ、カナダ、ロシア、欧州 各国の計15か国が協力して利用。
宇宙だけの特殊な環境でさまざまな実験や研究、地球や天体の観測などを行っている。
平成12年からは宇宙飛行士が滞在を 開始し、約6か月ごとに交代。
現在は若田光一宇宙飛行士が2度目の長期滞在をしており、後半の2か月は日本人初のISSコマンダー(船長)として指揮をとる。
今回、ISSの誕生15周年を記念し、NASA、ESA、JAXA、カナダ宇宙庁が、1時間おきにそれぞれのWebサイトにツイートしてお祝いする。
ISSの存在が科学、技術にとってどのような意味をもつかなどを語り、Web上で絶え間なく展開する企画になっている。
ツイッターアカウントをもっている人はハッシュタグ「#ISS15」を使うと「World-Wide Wave」に参加できる。
また、当日地上からISSを撮影した写真もツイートしてシェアしてほしいとしている。
【田中志実】
リセマムより
2013年11月19日
横断幕をリサイクル
NEXCO中日本は、高速道路の事業活動により発生する廃材を活用した商品ブランド「N+U(ニュー)」の第二弾として、ボディバッグを開発。
同社オンラインモールで販売を開始した。
新製品は、高速道路で使用され役目を終えたメッシュタイプの横断幕を活用。
日差しや汚れに強く、軽量かつシンプル。
斜めかけの他にウエストポーチにすることもできるため、自転車やスポーツシーンでも活躍できる商品となっている。
また、横断幕が持つ文字や図柄自体をデザインに取り入れ、国内の熟練した職人によりひとつひとつ丁寧に縫製。
デザインが全て異なる世界に1つしかない製品に仕上がっている。
価格は4,620円。
売上の一部は森林づくりなどの環境保護活動に寄付される。
レスポンスより
2013年11月18日
牛乳瓶の容器軽量化
飲料・食品業界で容器軽量化競争が激化している。
なかでも乳業大手の森永乳業はこの10年間で、チルド(冷蔵)飲料やヨーグルトなど主力商品の容器軽量化に相次いで成功した。
遡(さかのぼ)ると、軽量化に5年以上かかった牛乳瓶の存在が見えてきた。
試行錯誤の結果、牛乳瓶の軽量化を果たしたことが社内に軽量化の波を広げたという。
スーパーなどで販売される商品では紙パックが大半を占めるが、乳業各社が主力事業の一つに据える宅配事業では牛乳瓶が主流だ。
決まった家庭に定期的に配達するため回収が容易でリユース(再利用)率が高く、環境配慮の観点からも注目度は高い。
一方で「瓶底めがね」という言葉が生まれるほど厚く、その重さや割れやすさを克服することが課題だった。
森永乳業で牛乳瓶の軽量化が議論され始めたのは1990年代後半。
従来のガラス瓶を薄くすることからチャレンジが始まったが、ガラスを薄くすれば同時に強度も低下。
輸送時に割れやすくなるほか、瓶の重心が高くなり牛乳を充填(じゅうてん)する際に倒れやすくなるなどの課題が浮かび上がった。
だが、牛乳瓶の軽量化が遅れると「確実に他社との競争に負けて取り残される」(容器包装開発部の森哲志部長)との危機感が社員の背中を押した。
試行錯誤の結果、たどり着いたのが、薄くした瓶の外側に樹脂を張る方法だった。
樹脂が輸送時の衝撃から瓶を保護するためガラスを薄くしても割れにくくなり、軽量化と同時にリユース回数が倍増すると試算された。
しかし、森部長は「牛乳瓶に利用して効果があるのか、本当に再利用回数が倍増するのか半信半疑だった」と振り返る。
実際の容器改良では、充填機の構造を大きく変えないために瓶の太さを変えず、高さを低くして対応。持ちやすいよう瓶にくびれをつけた。
さらに、樹脂が輸送時や太陽の熱ではがれないことなどを確認するため、14項目に及ぶ検査を実施した。
一方、樹脂の強度を重視した結果、瓶が割れても牛乳が漏れず、破損がわかりにくいという問題が浮上した。
消費者が割れた瓶のかけらを飲む危険性がある。
瓶が割れると樹脂も一緒に破れるように工夫することで乗り切ったという。
2004年に導入された軽量瓶は平均の厚さが従来の5.7ミリから3.4ミリに40%縮まり、重さは244グラムから130グラムに46%以上軽量化した。
この結果、一度に運搬できる量が増加、仮に13トントラックに瓶商品だけを満載した場合、従来は2万7,000本だったが、軽量化により3万5,720本積むことができ、積載効率が約30%改善。
輸送時のエネルギーコスト削減にもつながった。
リユース回数は33回から66回に倍増。
軽量化とリユース回数の増加で、2004年以前は366トンだった原材料が130トンに減り、65%の削減に成功した。
同社の容器軽量化への挑戦は続いた。
コンビニエンスストアなどでの取り扱いが増加しているチルド(冷蔵)飲料に利用するプラスチック容器は、軽量化への取り組みを繰り返し、2010年7月までに約20%軽量化。
2012年9月にはプレーンヨーグルトのプラスチックカップを約7%軽量化し、今年7月には同じプレーンヨーグルトのキャップ部分も約4%の軽量化に成功した。
「皮切りは牛乳瓶の成功だった」。
一連の取り組みを見続けた森部長はこう強調する。
同社では現在も容器の軽量化に挑み続けている。
【松岡朋枝】
SankeiBizより
2013年11月15日
混合廃棄物で建設資材
ゼネコン大手の大林組は14日、東日本大震災で発生した宮城県亘理町吉田の災害廃棄物の2次仮置き場で、リサイクルできない混合廃棄物を有効活用した独自開発の建設資材「アップサイクルブロック」の製造工程を公開した。
ブロックは町が津波防御として計画する人工丘の中詰め材や復興事業の盛り土に活用される。
ブロックは90センチ四方。
大量のがれきを破砕、選別後に残る細かい木材や金属片、瓦などをセメントと交ぜて型枠で固めて袋詰めする。
同社は8月、混合廃棄物約2トンを活用する事業を、仮置き場内に設けたヤードで始めた。
1日最大210個のペースで、12月末までに1万9,000個を製造する。
木片などの有機物が交じる混合廃棄物はこれまで、建設資材として利用できず、最終処分場に埋設されていた。
同社によると、亘理分のブロック製造費は総計約5億円で、最終処分に掛かる経費より1割少ないという。
開発に携わった同社生産技術本部技術1課の森田晃司課長は「最終処分場の埋設量削減とともに、被災地で深刻化している復興資材の不足を解消できる。他の産業廃棄物や放射性物質が付着したがれきを安全に処理できるように技術改良も進めたい」と話した。
河北新報より
2013年11月14日
幸福駅が「再出発」
北海道帯広市の旧国鉄広尾線「幸福駅」の改築工事がほぼ終了し、16日に再出発を祝うセレモニーが行われる。
全国各地の観光客から好評を集めた雰囲気をなるべく残そうと、旧駅舎で使われた建材のうち5割を再利用し、内壁はこれまで通り名刺や切符を貼れるようにする。
改築は、幸福町内会が築60年近くたった旧駅舎の老朽化を心配し、帯広市に要望して実現した。
市は約3,000万円を計上し、9月に工事を始めた。
ほぼ従来通りの外観で、近くの屋外に挙式用のドレスハウスや小型の噴水も整備した。
セレモニーでは、歌手の芹洋子さんが、1970年代に幸福駅の知名度をアップさせた「愛の国から幸福へ」を歌い、住民らとともにオープンを祝う予定。
読売新聞より
2013年11月13日
中小企業の海外進出支援
神奈川県の黒岩祐治知事は17~23日、ミャンマー、タイ、シンガポールの東南アジア3カ国を訪問する。
県内中小企業の海外進出を支援するのが主な目的で、同行する経営者らとともにトップセールスで売り込みを図る。
県によると、県内企業の進出ニーズが高いタイには平成24年10月時点で99社が進出。
民主化で経済発展が期待されるミャンマーも注目を集めているが、県内企業の進出は同時点でプラント建設会社と物流会社の2社にとどまっている。
両国への訪問では、同行する県内中小企業の経営者ら約20人とともに、各企業の製品や技術をPRするセミナーを開催。
タイでは既に進出している県内企業の視察も行う。
黒岩知事は昨年5月にも現地の経済事情を確認するため、両国を訪問して政府関係者らと意見交換。
今年1月には、現地情報の提供や事業立ち上げをサポートするため、県が横浜銀行などと協力協定を結んで支援体制を強化している。
海外進出支援のほかにも、日本への観光客が増加傾向にあるタイでは観光フェアを開いて県内の魅力をアピール。
シンガポールでは先進的なバイオ関連の研究機関などを視察して県の取り組みに生かすという。
産経新聞より
2013年11月12日
「ウォームシェア」マップ
環境省は、地域で気軽に集まって暖まることができる場所を「ウォームシェアスポット」と定め、賛同する企業・団体、個人が登録できるオンライン上の地図「シェアマップ」を公開した。
同施策は、平成24年度から、ウォームビズの一環として「ウォームシェア」という家庭や地域で楽しみながら節電になる取組を呼び掛けている活動の一環となるもの。
一人一人が暖房を使うのではなく、家族や近所で1つの部屋に集まることや、暖房を止めて街に出かけることで、エネルギーの節約につなげる。
また、今後「ウォームシェア」の取組をさらに拡大するため、様々な主体と連携した普及啓発活動を展開したり、全国各地の自治体において広がっている「ウォームシェア」の取組を紹介し、より多くの主体での取組を推進していく。
詳細は「ウォームシェア公式サイト」、および「シェアマップ」、「環境省のプレスリリース」で確認できる。
また、全国のTV局(29局)が主体となり、それぞれの地域の自治体や企業等とともに「ウォームシェア」を推進するキャンペーン「ウォームシェア・ニッポン」と連携。
みんなで集まって各エリアの特色のある「鍋」を食べることをキーアクションとして、「ウォームシェア」への参加を呼び掛ける。
キャンペーン期間は11月中旬~2014年1月下旬。
詳細は「特設ページ」で確認できる。
さらに、楽天グループの「楽天 eco生活宣言」企画の一環として、楽天トラベルが運営する総合旅行サイト「楽天トラベル」で実施する「楽天eco生活宣言~ウォームシェア応援!特別キャンペーン~」と連携し、温泉地5エリアへの旅行を通じた「ウォームシェア」への参加を呼び掛ける。
予約対象期間は12月4日まで。
詳細は「楽天トラベルの特設ページ」で確認できる。
マイナビニュースより
2013年11月11日
鉄・非鉄と蛍光灯資源化を融合
白川商店(福島県郡山市)は、鉄・非鉄スクラップの加工処理と融合したサービスとして使用済み蛍光灯の資源化事業を展開している。
電気設備工事や建設工事では、電線ケーブルや安定器などと合わせて蛍光灯が廃棄される場合も多いため、同時に回収可能なサービスは好評を得ているという。
蛍光灯リサイクルプラントは約6年前に導入したもの。
1日当たりの処理能力は2.4トン。
直管だけでなく、環状管などにも対応している。
破砕してガラスや口金、蛍光パウダー、水銀などに分別し、それぞれ資源化する。
資源化困難なものは最終処分にまわす。
蛍光灯の資源化事業はスクラップと組み合わせたサービスという位置づけから、荷姿や本数に制限は設けず、搬入してもらいやすい態勢を取っている。
使用済み蛍光灯単体でも受け付けている。
同社は1951年の設立。
製鋼原料部では鉄・非鉄の加工処理、蛍光灯の資源化、廃プラスチック、木くず、ガラスくずといった産業廃棄物の中間処理を手掛ける。
オートリサイクル事業部では使用済み自動車の解体・分別を行なっている。
このほか、計量証明や産業廃棄物の収集運搬などの事業も展開している。
循環経済新聞より
2013年11月08日
被災の野蒜駅、観光拠点に
宮城県東松島市は7日、東日本大震災で被災したJR野蒜駅を観光や交流の拠点施設として活用する方針を明らかにした。
市はJR東日本と協議した上で民間企業を対象に施設運営の事業者を公募し、来年度中の利用開始を目指す。
野蒜駅は鉄筋コンクリート一部2階、床面積約580平方メートルで、市が奥松島観光情報センターを併設していた。
1階部分が浸水し現在は閉鎖されているが、休日には周辺に観光客が立ち寄り、住民が特産品を販売するなどしている。
駅舎をめぐっては地元から保存を求める声が上がっていた。
市は維持費を要する震災遺構として残すことが難しいとみて、再利用策を模索。
県の被災地域交流拠点施設整備事業で修繕し、観光・交流の機能がメーンの施設とすることを決めた。
JR東が所有している改札などのスペースは貸与や譲渡を受ける方向で協議し、ホーム部分の活用も検討する。
施設は市が事業者に貸し付け、震災と復興の様子を紹介したり、物産販売や住民向けに日用品を扱う店舗を設けたりする考えだ。
野蒜駅を含む区間が休止中の仙石線は、内陸側にルートが変更される。
市は新たな野蒜駅の隣接地にも観光情報施設を整備する方針を示している。
市復興政策部の古山守夫部長は「被災した駅舎を活用して観光客を誘導し、被災地域の振興につなげたい」と話した。
河北新報より
2013年11月07日
市道ののり面で太陽光発電
ビルの空調機器販売・施工や時間貸し駐車場の運営などを手掛けるアダチ産業(長崎市、安達健蔵社長)は、同市小江原3丁目の市有の斜面地(市道ののり面)に太陽光発電所を建設し、今月末から運用を始める。
一般に、未利用地となっている公有地ののり面に太陽光パネルを設置した事業形態は、長崎県内でも珍しいという。
同発電所は市有地約1万3千平方メートルを有償で20年間借り、太陽光パネル5,800枚を設置する。
総事業費は約3億5千万円。
年間発電量は約125万キロワット時を想定し、発電全量を九州電力に売電する。
電力は、発電所周辺の小江原地区の住宅地などでも使用される予定で、約450世帯の半数程度の年間電力量をまかなえるという。
同社はこれまでも二酸化炭素(CO2)を排出しない電気自動車(EV)の普及のため、時間貸しの駐車場代だけで充電できるEV用のスタンド事業を展開するなど、環境に配慮した事業を実施してきた。
今回、初めて太陽光発電事業に取り組む安達社長は「クリーンエネルギーの地産地消が可能になる。(発電した電力を地域に循環させることで)地元に密着した皆さまに愛される施設にしていきたい」と話した。
長崎新聞より
2013年11月06日
世界一周支えたリヤカー
世界一周成功の陰に静岡のものづくりの力あり―。
鳥取市出身の吉田正仁さん(32)がこのほど、リヤカーを引いて世界一周の旅を成功させた。
吉田さんと長旅の苦楽をともにした「愛車」を作ったのは、牧之原市の従業員10人の小さな町工場だった。
吉田さんが5日、同市を訪れリヤカーを作った永野芳男社長(68)に旅の報告をした。
永野さんは「日本のものづくりの力を世界に証明できた」と目を細めた。
「よく耐えたなあ」。
長旅を終えたリヤカーをいとおしそうに触れながら、永野さんはつぶやいた。
吉田さんは「リヤカーは素晴らしい相棒でした」と感謝の気持ちを伝えた。
リヤカーは折りたたみ式で、全長1.7メートル、幅91センチ、重さ18.4キロ。
航空機やバイクフレームに使う特殊なアルミ素材で耐久性に優れる。
製品開発まで20年近くかかった職人こだわりの製品だ。
世界一周の旅では、氷点下20度から最高気温50度へと環境が激変することもあった。
それでも約4年半約4万キロにわたる長旅で、リヤカーは一度も壊れることはなかったという。
吉田さんとの出会いは2008年4月。
永野さんの会社のホームページを見た吉田さんが「リヤカーを提供してもらいたい」と同社を訪れた。
永野さんの目には物静かで控えめな青年に映ったが、彼の内なる信念を感じて依頼を快諾した。
以来、吉田さんが旅の様子をつづるブログを見て、旅の成功を静かに祈っていた。
静岡新聞より
2013年11月05日
農業生産法人の条件緩和
安倍晋三政権が農業改革を打ち出す中、農業に取り組む企業の動きが活発になっている。
農業関連企業だけでなく、商品のアピールや食材の安定調達を狙う食品や小売業へと業種は広がり、2009年の農地法改正以後の一般法人の参入はNPO法人なども含めて1,200件を突破。
大規模な投資が可能な企業は、新規就農者の受け皿としても期待されており、政府は国家戦略特区として農地の購入、保有もできる「農業生産法人」の条件緩和も検討している。
10月15日、東京・霞が関で開かれた規制改革会議の農業ワーキング・グループ。
住友化学アグロ事業部の長久保有之・農業企画チームリーダーは「(一般企業にも)農地保有を認めるオプションが一定の年数、例えば参入5年後にあってもいいのではないか」と訴えた。
肥料や農薬、ビニールハウスの製造から農作物の販売支援までをグループで手掛ける同社は、イチゴを栽培する住化ファーム長野(長野県中野市)を2009年に設立。
肥料などの効果を現地で実演する展示農園を、全国7カ所で農地を借り入れて展開している。
ただ、現行制度の下では「一部の地権者から途中で返還を求 められれば、事業継続に支障が生ずる」(長久保氏)という懸念が消えない。
企業が農業に参入するには現在、2つの形態があり、このうち一般法人の場合は農地は貸借に限られ、保有できない。
農業生産法人の場合は農地を保有できるが、農家や農協など農業関係者以外の出資は特例を使っても資本金の半分未満に制限され、役員の過半数が農業関連業務に従事する必要がある。
2009年の農地法改正で一般法人でも貸借ならば参入区域に制限がなくなったことを受け、改正法施行の2009年12月から2013年6月までに1,261法人が参入。
参入ペースは改正前と比べて5倍に増えた一方、法改正前に参入した436企業のうち約2割が撤退した。
地元の農家と異なり、事業の参入・撤退が激しい企業参入の増加で、荒れ地が増えかねないという懸念も指摘される。
住友化学が各地で展開する住化ファームなどではパートを含む計約70人が働き、1カ所当たり2、3人の社員を現地で採用している。
「1人の求人に30~40人の応募がある。個人より企業のほうが農業をやりたい若者も就農しやすい」(住友化学アグロ事業部)と担い手の育成にも貢献している。
ただ、農水省は「日本は地価が高く、農地の取得価格は借り入れ料の100年分に当たる。
投資の回収は難しく、企業も貸借方式を望んでいる」と企業の農地保有の全面解禁には慎重だ。
小売り大手のセブン&アイ・ホールディングスも、販売期限が切れた食品を堆肥としてリサイクルし、野菜などを栽培する「セブンファーム」を全国9カ所で展開し、そのうち千葉県富里市など2カ所は農協と共同出資する農業生産法人だが、いずれも農地は借り入れだ。
兼業農家も含めて農業を主な仕事にしている「基幹的農業従事者」は2010年に205万人と、20年前から3割減少。
平均年齢も66歳と高齢化し、後継者不足が深刻だ。
その対策として「農林水産業・地域の活力創造本部」(議長・安倍首相)は企業の参入加速を提示。
一部地域で規制緩和を先行実施する「国家戦略特区」でも農業生産法人の設立条件を緩める方向だ。
政府は11月末までに農業強化策を示すが、農業の新たな担い手を育て、反転攻勢を実現する道筋を描くことができるか。
日本の農業は再生に向け、大きな岐路に立っている。
【会田聡】
SankeiBizより
2013年11月04日
日本瓦、排出量がピークに
日本瓦もリサイクルシステムが少しずつ整いつつある。
同廃材の排出量については、今のところ公共機関からの明確なデータは公表されていないようす。
識者・実務者の間では全国で年間約100万トンと想定する情報もある。
過去の製造個数は粘土瓦として、経済産業省の工業統計に示されている。
1973年の約21億3,000万個、1979年の約20億300万個の20億個超をピークに、1980年以降は減少傾向にあり、1996年以降は15億個を下回り、2004年以降は10億個を下回って、リーマンショックの影響を1年遅れで受けたと見られる2010年には、1965年以降の統計で初めて5億個を切った。
生産のピークを35~40年前に迎えており、まさに今、建物の解体・リニューアルに伴う瓦廃材の排出が、ピークの時期に入っていると言える。
これまで、瓦廃材は大半が安定型処分され、有効利用もコンクリートクラッシャで細破砕して再生砕石・砂の一部で利用するケースも散見された。
単純な再生砂での利用状況は地域や業者間での差が大きい。
大都市圏はコンクリート廃材の排出量が多く、道路などの公共工事に積極的に供給してきており、瓦や他の廃資材まで有効利用に回していない。
コンクリート廃材の排出量が少ない地方施設で、特に民需の土木・土工事に、瓦の破砕物などで対応するケースがあるようだ。
ただし、前述の有効利用は瓦の持つ物理・化学特性に必ずしも着目したものではなく、ロットや品質面で再生砕石の代替材を追及したわけでもない。
個々の業者単位の取り組みとしては可も不可もないが、瓦リサイクルが社会・経済的に自立した事業として確立できないところに課題があった。
しかし、最近は瓦が持つ特性にも着目した、専門のリサイクル事業が育ち始めている。
全国で複数の業界あるいは技術組織も立ち上がった。
産業処理業、建設業、瓦製造・販売業などさまざまな関連業種がリサイクル事業に乗り出し始めた。
循環経済新聞より
2013年11月01日
「エコドライブ推進月間」
警察庁、経済産業省、国土交通省、環境省で構成するエコドライブ普及連絡会は、行楽シーズンであり自動車に乗る機会が多くなる11月を「エコドライブ推進月間」に設定し、エコドライブを促進する広報活動を集中的に展開する。
エコドライブを普及するための取組みとして、2006年度に策定した「エコドライブ普及・推進アクションプラン」に基づいて、警察庁、経済産業省、国土交通省、環境省が連携し、普及推進を図ってきた。
エコドライブ普及連絡会では、11月を「エコドライブ推進月間」とし、シンポジウムの開催や全国各地でのイベントなどを連携して推進し、積極的な広報を行う。
シンポジウムは11月21日に内幸町ホール(東京)で開催される。
「エコドライブとITS」と題しての基調講演や、エコドライブ活動コンクール審査結果の公表と表彰式などが開催される。
エコドライブ普及連絡会では、これまで、エコドライブとして推奨する「エコドライブ10のすすめ」を2003年に策定し、2006年と2012年に一部見直しを経て広報啓発してきた。
今後も、「エコドライブ10のすすめ」をもとに、エコドライブの普及・推進を図っていく。
レスポンスより