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2013年10月04日
「がれき大谷石再利用」
宇都宮大陽東キャンパス(宇都宮市陽東)にある東日本大震災でがれきになった大谷石を再利用してつくられた休憩所が、今年度のグッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)を受賞した。
大谷石の産地である同市の街中に多く残る大谷石蔵をイメージさせる外観。
震災の記憶を引き継ぎ、地元の景観を取り入れた点が評価された。
休憩所は、同大大学院工学研究科の安森亮雄准教授(41)の研究室が設計・施工。
安森准教授によると、震災で栃木県内では約20万トンのがれきが発生したが、うち半数が、石蔵や石塀が倒壊したことによる大谷石のがれきだった。
大谷石は、凝灰岩の一種で、同市大谷町付近一帯で採掘される。
軟らかく加工しやすく、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきた。
震災で出た大谷石のがれきの多くは業者に回収されて粉砕処理されたが、大谷石の有効利用方法を調査・研究する安森准教授らが、震災の記憶を残すため、がれきをベンチとして再利用することを考案。
芳賀町の集積場に集められた大谷石のがれきの一部を引き取り、大学院生らとともに、キャンパス内に休憩所を建設した。
休憩所は「小さな蔵・大きなベンチ」をコンセプトに、素朴で温かみのある大谷石蔵を模したデザイン。
4つのベンチや喫煙用の灰皿が置かれている。
今月30日~11月4日、東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「グッドデザインエキシビション2013」でパネル展示される。
安森准教授は「大谷石蔵は近年、使う人がいなくなったことで解体され、恒常的にがれきが出ている現状がある。有効な再利用方法を考えるきっかけになれば」と話している。
【原川真太郎】
産経新聞より
投稿者 trim : 2013年10月04日 12:46