« 植物工場に太陽光照明 | メイン | 地中熱利用の可能性探る »

2013年06月08日

豚舎の屋根でメガソーラー

つがる市の養豚業「木村牧場」が同市木造(きづくり)の豚舎の屋根に太陽光パネルを設置し、注目されている。

青森県エネルギー開発振興課によると、「県内養豚場へのメガソーラー導入はほかに聞いたことがない」という。

出力は331.92キロワットで、一般家庭約100世帯の1カ月分の電力を賄える能力を持ち、木村洋文社長(45)は「国内でも最大級ではないか」と話している。


木村社長は商談などでドイツに行った際、畜舎を利用した再生可能エネルギーの導入が盛んな状況を見て、太陽光発電の導入を検討。
日本で昨年7月から、再 生可能エネルギーによる電気の買い取りを電力会社に義務付ける「再生可能エネルギー固定価格買取制度」が始まったことを受け、参入を決めた。

国の補助金を使わず、ドイツからパネルを輸入。
今年1月から約7ヘクタールの敷地にある豚舎2棟の屋根にパネル計1,383枚を設置する工事に入り、3月に完成させた。
事業費は約1億円。

北海道や栃木県などでも牛舎にメガソーラーを導入している業者がある。
しかし、パネルが重く古い畜舎では耐久性が課題で、資金的な問題があった。
同社の豚舎は築3年以内で構造的にも耐えられるという。

同社は豚約1,300頭を飼育。
飼料米やリンゴ、ナガイモなどの食品残渣(ざんさ)で育てた「つがる豚」のブランドで出荷している。
太陽光発電による自社と一般家庭への電力供給と、食品の残りを活用した良質の豚の生産という環境への優しさをアピールした取り組みで、事業展開を図る。
木村社長は「養豚業は臭くて汚いというイメージがつきまとい、農業の中でも他の業種と連携が取れなかった。養豚をエコとリサイクルを両立させた産業にしていきたい」と抱負を語った。
【福田徳行】

産経新聞より

投稿者 trim : 2013年06月08日 10:39