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2013年04月23日
アリモドキゾウムシ
18年がかりで実現したアリモドキゾウムシの久米島での根絶は、沖縄県内全域での根絶に向けた第一歩となる。
紅イモの県外出荷を阻んでいた難問の一つが解決され、今後はもう一つの害虫、イモゾウムシの根絶が喫緊の課題となる。
県病害虫防除技術センターは、イモゾウムシの効果的な駆除方法を確立した上で、県内全域での根絶につなげる考え。
アリモドキゾウムシとイモゾウムシの不妊虫を全県域に放つための人工飼料の開発も進めており、紅イモの県外出荷体制を整える方針だ。
アリモドキゾウムシは農薬で数を減らす駆除が主流で、県内全体では根絶までは至っていないという。
人工飼料では不妊虫を増殖できないため、1匹当たりの繁殖コストが高くつき、敬遠されている。
また、大量に飼育すると内部で菌が繁殖し、死滅するリスクもあった。
そのため同センターはウリミバエの根絶で培った不妊虫の増殖技術を応用して、飼育環境を改善。
大量飼育を実現し、久米島での根絶につなげた。
アリモドキゾウムシの不妊虫による根絶は世界的にも例がない。
同センターの金城邦夫研究主幹は「沖縄から農産物を県外に出荷するには病害虫を根絶するしかない。世界でもアリモドキゾウムシの不妊虫を増やす技術はなく、沖縄で実現した貴重な事例」だと説明する。
一方、紅イモの県外出荷の実現にはイモゾウムシの生態解明が鍵を握る。
イモゾウムシはアリモドキゾウムシと異なりオスを誘い出すフェロモンが見つかっていないほか、羽がないため飛ぶことができず生息域や数の特定が難しい。
県は津堅島を拠点に、生育環境を割り出す考えで効果的なモニタリング調査の検討を進めている。
将来的には低コストで不妊虫を増殖できる人工飼料を開発し、県内全域での根絶に乗り出す方針だ。
県営農支援課の西村真課長は「県内農家が農作物を栽培しやすい環境をつくるための技術確立を進めていく」と話した。
沖縄タイムスより
投稿者 trim : 2013年04月23日 10:46