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2013年04月19日

石炭灰から建材製造

住友共同電力(本社・新居浜市)は先月、自社の火力発電所の廃棄物を利用した建材「フライアッシュ」の生産事業を始めると発表した。

東日本大震災を受けて国内の原発稼働が停止したため、同社では燃料の石炭の消費が2割前後増加。

廃棄物を有効活用するため、大分大のベンチャー企業「ゼロテクノ」とともに合弁会社「ゼロテクノ四国」(同)を先月29日に設立しており、来年から事業を開始する。

フライアッシュは火力発電所で排出される石炭灰が原料で、セメントに混ぜてコンクリートとして使用すると強度や耐久性を上げることができる。
しかし、通 常は燃え残りである「未燃カーボン」が5%前後残っているため、建設物の枠内で流れにくい欠点があり、普及が進まなかった。
住友共同電力はフライアッシュの製造過程で800~900度の熱を加えることで、未燃カーボンの割合を1%以下にすることに成功。
セメントに混ぜても流動性に優れ、扱いやすいコンクリートができた。
同社によると、フライアッシュを使用したコンクリートは通常より強度で1.5倍、寿命は2倍という。
同社では年間約20万トンの石炭灰が廃棄物として発生しているが、1万トンをフライアッシュ生産に利用することを見込む。

ゼロテクノ四国の資本金は1億円で、生産工場は住友共同電力壬生川火力発電所(西条市北条)構内に設置。
住友共同電力は「廃棄物を減少させるだけでなく、建造物の長寿化に役立つようになれば」と期待している。
【高谷均】

毎日新聞より

投稿者 trim : 2013年04月19日 17:35