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2013年04月11日
県が融資拡充し対応
中小企業の借金返済の猶予要請に応じるよう金融機関に促す中小企業金融円滑化法が3月末で終了したことを受け、相談窓口を設置した関東財務局水戸財務事務所には金融機関の対応などに対し、中小企業から不安の声が寄せられている。
今年1~3月の茨城県内企業の倒産件数も増加していることから、県は中小企業の資金繰りがショートしないよう新規融資枠の拡充など中小企業支援に乗り出している。
関東財務局水戸財務事務所は2月25日に相談窓口を設置。
今月8日までに計20件の相談があり、このうち半数は
「4月以降、借り入れなどについてどこに聞けばいいのか」
「円滑化法終了後、金融機関は返済期間の延長や金利の据え置きなどに対応するのか」
などと不安を訴える声が占めているという。
同事務所は「円滑化法の終了で後ろ盾がなくなり、今まで以上に不安を感じている企業が多い」と分析した上で、「金融庁が引き続き返済猶予を金融機関に求めていることや県の制度融資などを紹介して不安を解消したい」と対応策を説明する。
同事務所によると、県内の金融機関は4月以降も従来通り貸し付けなどに応じるという。
民間信用調査機関「帝国データバンク」水戸支店によると、円滑化法を利用した県内企業のうち、昨年倒産した企業は少なくとも2社。
さらに、今年1~3月の倒産件数は増加傾向にあり、同支店は「円滑化法を利用した企業の多くがすでに体力を消耗し、事業を継続する意欲が見られない。
今後、倒産する企業がさら に増える可能性もある」と影響を懸念する。
こうした状況を受け、県は中小企業の資金繰りを支援しようと、今年度から県制度融資「セーフティネット融資」の新規融資枠を前年度比80億円増の390億円に拡大。
「パワーアップ融資」も同60億円増の320億円に融資枠を広げた。
さらに、返済負担を軽減するため、各制度融資の利率を0.1%引き下げている。
今月8日現在、各融資を希望した企業はないというものの、県産業政策課は「県内の金融機関は今後も貸し付け需要に応じる方針のため、円滑化法終了の影響は最小限にとどまるとみられる。今後も状況を見ながら対応していきたい」と話した。
【岩嶋悟】
毎日新聞より
投稿者 trim : 2013年04月11日 15:03