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2013年03月12日
京王が農業ビジネス
京王電鉄は農業ビジネスに参入する。
人工光と太陽光を活用した研究開発用の植物工場を東京都八王子市に完成、4月1日に稼働させる。
2014年度末までに栽培技術の研究や販路の開拓などを進め、別途に本工場を建設、事業化する。
グループの京王百貨店や京王ストアのほか、高級スーパーなどで安全で質の高い野菜や果物を販売する構想だ。
京王線の狭間駅前に「京王栽培研究所」を設置し、建物の内部には2種類の植物工場を整備した。
敷地面積は約372平方メートル。
運営は京王電鉄本体が手掛ける。
密閉された空間で発光ダイオード(LED)照明や蛍光灯を光源として栽培する工場では、昭和電工製のLEDを採用した。
植物の育成に最適な比率で赤色光と青色光を照射する高速栽培の技術供与を受けながら、レタスなど葉菜類の収穫量を増やす研究を進める。
太陽光を活用して栽培する工場では、農業用のガラスハウスで高品質のトマトやイチゴなど果菜類の開発を目指す。
まずは京王栽培研究所で約2年間、高付加価値の野菜や果物などの研究・開発データを蓄積する。
これと並行し、販売ルートの開拓も進める。
別途、本工場を建設し、2015年度以降に本格的に事業を展開する予定。
本工場の建設場所や規模、販売計画などは今後、詰める。
人口減少に直面する鉄道事業者は新規事業の開拓を急いでいる。
今回の農業ビジネス参入はこの一環だ。
2013年に京王の電車・バスが100周年を迎えるのに当たり、新規事業創出のプロジェクトを発足。
2011年5月まで京王電鉄本体やグループ各社から事業プランを募り、集まった274件の中から、収益性などを考慮して農業ビジネスへの参入を決めた。
京王電鉄の永田正社長は「住んでもらえる、選んでもらえる沿線がキーワード。鉄道事業が活力を維持し続けるには、沿線価値を高めることが不可欠」と話している。
日経産業新聞より
投稿者 trim : 2013年03月12日 17:28