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2012年09月22日
竹粉80%配合
奈良県森林技術センター(高取町)が、竹の粉を80%混ぜたプラスチックの開発に成功した。
県では石油製品であるプラスチックの使用削減や、荒廃竹林の活用にもつながるとアピール。
家電や自動車内装など向けに製品化を目指す。
センターによると、これまでもプラスチックに木粉を5割程度混合した製品があり、ウッドデッキなどとして市販。
ただ、木粉がプラスチックになじまず型に入れにくい▽水分で伸び縮みする▽腐りやすい――などの課題があった。
センターは素材として、成長が速く、各地で荒廃林拡大が問題となっている竹に注目。
竹を二百数十度で蒸し焼きにする独自技術(低温炭化処理)を施し、数十ミクロンの粒に粉砕してプラスチックの一種、ポリプロピレンに混ぜた。
同処理でプラスチックとなじみやすくなっており、竹粉を80%を混ぜても射出成形で複雑な製品を作れる他、無処理の竹粉に比べ水分による寸法変化が6分の1に抑えられるなど好結果が得られた。
センターは実用化に向け、2007年から産業技術総合研究所▽京都工芸繊維大▽文具メーカーのシヤチハタとの共同研究で開発。
2009年に特許出願した。
シヤチハタはこの技術で印肉ケースを試験販売した他、環境負荷の少ない素材として車両メーカーからも問い合わせが来ているという。
県森林技術センターの伊藤貴文・木材利用課長は「環境にやさしい製品としてニーズはある。プラスチックと互角に戦える素材を目指したい」と話した。
【野上哲】
毎日新聞より
投稿者 trim : 2012年09月22日 16:46