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2012年09月26日
大府の遊休地
豊田自動織機は地域の自然再生を目指し、ビオトープを大府市中央町の同社遊休地に整備した。
身近に自然に親しむ場として地域に開放し、植樹会や観察会などの催しを開きながら、管理していく方針だ。
同社は2011年に発足した「知多半島生態系ネットワーク協議会」に参加し、生物多様性の保全に取り組んでいる。
バッタやトンボなど身近に生息する生物や、かつて地域にいた生物を呼び込めるような場を再現しようと、ビオトープを造った。
ビオトープはJR大府駅東の中心市街地に整備し、約1,100平方メートルで、草地・水辺・林の3ゾーンで構成している。
専門家の指導を受けて外来種や園芸種を撤去し、クスノキやムクノキなど地域の自然植生に植え替えた。
また、敷石は工場から出る焼却灰やばいじんを再利用し、樹木周辺の土壌は工場の緑地で刈り取った枝を堆肥(たいひ)化したものを使った。
さらに、水辺の水を循環させるポンプの動力は太陽光パネルで発電した電力を利用している。
【新井敦】
毎日新聞より
2012年09月24日
使用済みフライ油を燃料に再利用
持ち帰り弁当の「Hotto motto(ほっともっと)」と定食チェーンの「やよい軒」を展開するプレナスは10月から、使用済みのフライ油をトラックの燃料に再利用する「フライ油リサイクルシステム」を東日本地域で本格導入する。
「ほっともっと」とやよい軒で使用したフライ油を回収し、製造プラントでバイオディーゼル燃料に精製。
完成した燃料を物流センター(埼玉県杉戸町)に運び、店舗へ商材などを届けるトラックの燃料として再利用する。
同社は2007年10月から、九州・山口エリアの約900店でフライ油のリサイクルシステムを導入。
5年間で約290万リットルのバイオディーゼル燃料をトラックの代替燃料として使用、これまでに7,600トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減している。
東日本エリアでは、2013年にも九州・山口エリアと同規模に相当する年間60万リットルのバイオディーゼル燃料を、トラックの代替燃料として使用。
年1,570トンのCO2排出量の削減を目指す。
SankeiBizより
2012年09月23日
3人寄れば文殊の知恵
“3人寄れば文殊の知恵”──。
中小企業3社がそれぞれの強みを生かして電動バイクを製作し、「EVEX(電気自動車開発技術展)2012」に出品した。
その3社とは、明和製作所(本社・福岡県糸島市)、E・ミニモ(本社・神奈川県藤沢市)、イブリダセル(本社・東京都中央区)。
明和製作所がSRモー ター・コントローラの開発・生産、E・ミニモが車両プロデュース・車体開発・完成品の組み立て、イブリダセルがリチウム電池パックの開発・生産をそれぞれ担当した。
そして、完成した電動バイクは『バトラ』。
2輪タイプと3輪タイプがあり、両タイプとも全長は1,994mm、全幅650mm、全高1,060mm。
重量は2輪タイプが100kgで、3輪タイプが120kgだ。
バッテリーはともにリチウムイオン電池を使用し、約8時間の充電時間で、2輪タイプが約100km、3輪タイプが約80km走行できる。最高速度は50km/hだ。
2013年の発売予定で、価格は2輪タイプが72万4,500円、3輪タイプが87万1,500円。
走行距離が半分のものだと、2輪タイプが55万1,250円、3輪タイプが69万8,250円。
価格は他社のものと比べて高めだが、すでに数社から引き合いがあるという。
「リースやレンタル会社を中心に初年度300台を売っていきたい。
そして、ゆくゆくは年間1,500台を売っていこうと考えている」とE・ミニモ関係者。
一社ではできないことも、3社集まれば可能になる。
これがこれから中小企業の生き残る道の一つといえるだろう。
【山田清志】
レスポンスより
2012年09月22日
竹粉80%配合
奈良県森林技術センター(高取町)が、竹の粉を80%混ぜたプラスチックの開発に成功した。
県では石油製品であるプラスチックの使用削減や、荒廃竹林の活用にもつながるとアピール。
家電や自動車内装など向けに製品化を目指す。
センターによると、これまでもプラスチックに木粉を5割程度混合した製品があり、ウッドデッキなどとして市販。
ただ、木粉がプラスチックになじまず型に入れにくい▽水分で伸び縮みする▽腐りやすい――などの課題があった。
センターは素材として、成長が速く、各地で荒廃林拡大が問題となっている竹に注目。
竹を二百数十度で蒸し焼きにする独自技術(低温炭化処理)を施し、数十ミクロンの粒に粉砕してプラスチックの一種、ポリプロピレンに混ぜた。
同処理でプラスチックとなじみやすくなっており、竹粉を80%を混ぜても射出成形で複雑な製品を作れる他、無処理の竹粉に比べ水分による寸法変化が6分の1に抑えられるなど好結果が得られた。
センターは実用化に向け、2007年から産業技術総合研究所▽京都工芸繊維大▽文具メーカーのシヤチハタとの共同研究で開発。
2009年に特許出願した。
シヤチハタはこの技術で印肉ケースを試験販売した他、環境負荷の少ない素材として車両メーカーからも問い合わせが来ているという。
県森林技術センターの伊藤貴文・木材利用課長は「環境にやさしい製品としてニーズはある。プラスチックと互角に戦える素材を目指したい」と話した。
【野上哲】
毎日新聞より
2012年09月21日
門司港に南極観測船「しらせ」
門司港に9月21日、南極観測船「しらせ」が入港する。
南極地域観測協力を行う国内唯一の「砕氷艦(さいひょうかん)」で、物資および人員の輸送、南極観測支援などを行っている。
全長134メートル、排水量1万1,600トン。
船首部分に海水をまいて雪を溶かす装置が取り付けられ、環境に配慮してダイオキシンを出さない焼却炉や生ごみの処理機など「エコ・シップ」としての独自の機能が装備されている。
門司港への寄港は11年ぶり。
22日・23日は艦内を一般公開し、乗員による説明も行われる。
出港は24日12時を予定。
隣接する「関門海峡ミュージアム」では「しらせパネル展」(9月28日まで)も行われている。
公開時間は9時~16時(受け付けは15時まで)。
小倉経済新聞より
2012年09月20日
児童に工場復興紹介
公益財団法人古紙再生促進センター東北地区委員会(藤崎夏夫委員長)初の東日本大震災被災地復興支援事業は19日、南相馬市原町区の丸三製紙原町工場(野崎修社長)で行われた。
原町三小4年生が工場を見学し紙すきを体験したほか、南相馬市教委にコピー用紙2千ケース(A4 500万枚)が贈られた。
同センターは古紙回収、利用促進により環境、森林資源を守るため製紙35社、古紙直納問屋536社で構成する。
今回の事業では被災工場の復興ぶりを紹介、学校に東北地方で生産された再生コピー用紙を贈り、子どもたちを励ます。
贈呈式で三田計東北地区委員会副委員長が「3カ月休業したが多くの支援で工場が再開できた。見学することで復興する姿を見てほしい」とあいさつした。
佐藤清隆副委員長が青木紀男市教育長に市内22小中学校で使うコピー用紙の目録を贈った。桜井勝延市長がお礼を述べた。
児童44人が2班に分かれ、年28万トンの段ボール原紙を作る工場を見学、はがき大の紙すき体験を行って古紙再生、環境保護に理解を深めた。
支援事業は10月に宮城県石巻市、11月に青森県八戸市、12月にいわき市でも行われる。
福島民報より
2012年09月19日
省管理型の芝生基盤
東邦レオは、保育園・幼稚園の園庭を対象に、繰り返し利用に耐える省管理型の芝生基盤と維持管理のサポート体制を組み合わせた「ターフカーペット園庭芝生サービス」を開発し、10月1日より発売すると発表した。
同社では小中学校を対象に、芝がいつもフカフカしていて、雨が降った直後でもすぐに利用できる、締め固まらない校庭芝生専用土壌「グラスミックス」を2007年に開発。
日々の踏み圧に耐えながら隙間に空気・水・根が入るスペースを確保し、芝生の再生力を高めることができる技術で、東京都だけでも33校の小中学校に採用されている。
幼稚園や保育園は小・中学校と比べ、狭小な園庭面積のなか高い頻度で利用されるため、芝生がダメージを受けやすいのが現状となっている。
また、芝刈りなどの作業は小・中学校の場合、地域住民・学校関係者のほか環境教育の一環として子どもたちが行うが、幼稚園・保育園では、その部分の管理人材の確保が見込めない。
「芝生の維持管理に関する負担軽減」は園庭芝生分野での技術やサービスの開発にとても重要なポイントとなっている。
そこで同社は、校庭芝生分野で培ったノウハウをもとに、園庭芝生の設計から施工・管理までトータルにサポートするサービスを新たに開発した。
芝生導入時に保育園・幼稚園の実務を担う先生を対象にした芝生講習会を開催するほか、芝生の成長期にあわせ月に一度専門スタッフが訪問して生育診断を行う「1年間無料の管理アドバイスサービス」を実施するなど、導入後のサポートを重視しているところが特長となっている。
また、芝生が再生しやすい基盤土壌「グラスミックス」のほか、高密度でじゅうたんのように肌触りがよく、運動意欲を刺激する高品質・高耐久芝生「ソッドレスターフ」の開発も行っている。
施工しやすいロール芝型に成形し、根付きのスピードを速める加工を施すことで、工期短縮と園庭の早期利用を実現。
300平方メートル程度の園庭で芝生化に要する時間は養生期間含め約1カ月半。
在来工法に比べ約半分の時間で利用が可能となっている。
マイナビニュースより
2012年09月18日
京都駅ビル“緑の回廊”
開業15周年を迎えた京都駅ビル(京都市下京区)に、雨水を屋上から流して階段やフロアのわきでプランター植物を育てる「緑水歩廊」が完成した。
大型ビルに降る雨など未利用だった自然資源で緑を増やす趣向で、駅ビルの管理運営会社は「環境共生の大切さを考えてもらえるようなメッセージを発信していきたい」とする。
緑水歩廊は、ホテルや劇場がある東ゾーンのうち4、5階の端と3階の遊歩道、各階をつなぐ階段に大小のプランターを並べて整備した。
上階から順に里山、棚田・湿地、池沼と日本の風景に見立ててサカキやダイモンジソウ、ヨシ、ミツガシワ、オグラハスなど約90品種を植えた。
栽培に必要な水は雨水を基本とし、屋上に降った雨を7階のタンクにため、順次下の階の植物を潤す。
捨てていた地下の湧き水も利用し、3階遊歩道のプランターの屋根に設けた太陽光発電でポンプを動かす。
来年3月まで展示する予定。
管理運営する京都駅ビル開発(下京区)によると、1997年9月の開業以来、駅施設や百貨店、ホテルなどを合わせた駅ビルの総利用者数は今年8月末で延べ6億9千万人に上るという。
別枝社長は「コンクリート造りの駅ビルに緑を増やし、利用者の心の慰めになれば」と話している。
京都新聞より
2012年09月17日
「エコレール」
玩具大手のタカラトミーは、看板商品である鉄道玩具「プラレール」で、再生材料を50%以上使用した「エコレール」を7月に発売した。
日本環境協会が環境保全に役立つと認めた商品に付与する「エコマーク」を玩具商品として初めて取得した。
環境をイメージできるよう、色は従来の青ではなく緑を採用。
環境への貢献度をアピールするとともに、幼い子供の環境問題への関心を高めるツールとして注目されている。
エコレールは、従来商品に使われているポリプロピレン(PP)と呼ばれる軟質プラスチックに、廃棄されたプラスチック製品を加工した再生PPを50%以上混ぜ込んだ。
リサイクル品を使用することで、製造から廃棄までに発生するCO2(二酸化炭素)を従来比で約1割削減できるという。
再生材を使用する分、製造工程が増えるが、販売価格は従来品と同じ367円(レール4本入り)に据え置いた。
開発に着手したのは2010年1月。
「玩具メーカーとして本格的に環境問題に取り組みたい」。
富山幹太郎社長の号令のもと、社長室に環境課を新たに設置したことがきっかけとなった。
そこで発案されたのがプラレールのエコ化だった。
プラレールはデフォルメされたデザインの鉄道車両を青色のプラスチック製レールの上で走らせる3~5歳男児向け鉄道玩具。
今年で販売53年目を迎え、販売したレールの総延長は10万800キロメートル(地球2.5周分)というタカラトミーを象徴する主力商品だ。
「会社のメーン商材でエコ商品を出したかったが、一方で伝統的な看板商品だけにメスを入れることには抵抗感もあった」と高林慎享環境課長は振り返る。
最初に取り組んだのは、レールの中央部分に穴を空ける軽量化やレールを薄くする薄肉化による原材料の削減だった。
しかし、「製品のイメージが変わりすぎる」「製品の耐久性が下がる」と却下された。
試行錯誤を繰り返す中で、たどり着いたのが発想の転換だった。
それは、材料の削減による省資源化ではなく、材料そのものを環境に配慮した素材を使うという考えだ。
茶葉や古紙など10種類以上の環境に配慮した素材で試作品を作り続けた。
色、強度、コストなど多くの課題にひとつひとつ対応していくなかで、最も適した素材が再生PPだった。
食品などを包むPPフィルムなどを低コストで再利用でき、素材を流し込むときの成形機との相性の良さも決め手になった。
当初は、子供が直接触れる玩具に、不衛生なイメージのある再生素材を使うことは親が敬遠するのではないかという懸念もあった。
だが、昨年1月に2万人を対象に実施した親へのアンケートで、再生素材への抵抗はほとんどないことが分かった。
その結果を反映するように、プラレールの7~8月期の売上高は前年同期比で約2倍近く増えた。
タカラトミーは昨年6月、環境配慮の自社基準を設定し、その基準を1つ以上満たした商品を「エコトイ」と認定して販売を開始。
東日本大震災後の節電意識の高まりで、電池を使わずに走らせるラジコンカーなどのエコトイは脚光を集めている。
高林課長は「将来的にはプラレールをすべてエコレールに切り替えていくつもりだ。ここで得た技術を生かし、再生PPを活用した商品展開をさらに広げていきたい」と意欲的だ。
【西村利也】
産経新聞より
2012年09月16日
廃校利用さまざま
少子化に伴う学校統廃合で閉校となった小中学校の活用方法に注目が集まっている。
茨城県内では宿泊施設や大学キャンパスとして生まれ変わった校舎もあれば、映画やドラマのロケ地として多用されているケースもある。
■田舎体験の拠点
今月1日、金砂ふるさと体験交流施設「かなさ笑楽校(しょうがっこう)」(常陸太田市下宮河内町)としてオープンしたのは、4年前に閉校した市立金砂小学校だ。
そば打ちなどの体験や宿泊ができ、都市と農村の交流を図る施設として生まれ変わった。
明治38年創立の歴史を持つ学校だったが、平成20年3月、103年の歴史に幕を閉じた。
新たな有効活用が検討されていた。
周辺地域は「常陸秋そば」の栽培も盛んで、そば畑の貸し出しと管理を地元農家が請け負う「そばのオーナー制度」も確立されている。
種まきや収穫などで関東近県から泊まりがけで来る利用者向けに宿泊施設の充実も求められていた。
校舎は鉄筋3階建て。
建て替えたのは平成元年と比較的新しく、「耐震化済みの校舎を壊して更地にするのはもったいない」(大久保太一市長)と、改修費約7,000万円をかけての再利用となった。
「宿泊しながらの体験学習」をテーマに、地元の高齢者が講師となって農作業や里山での自然探索、そば打ちや豆腐作り、木工教室など各種体験コースを設定。
教室を改修した宿泊室は9室あり、最大で約50人が宿泊できる。
宿泊費は小中学生1泊1,000円、高校生以上2,000円。
食事は原則調理室での自炊。
■大学として再出発
今年4月、利根町に開校した日本ウェルネススポーツ大は、町内の旧利根中学校を第1キャンパス(同町布川)、旧布川小学校を第2キャンパス(同)として、校舎をリニューアルして活用している。
2校とも学校統廃合後も校名は残っているが、校舎は統合した学校に移転している。
学校法人タイケン学園(東京都板橋区)が運営。
スポーツプロモーション学部スポーツプロモーション学科の1学部1学科を設置し、スポーツイベントの企画立案、運営を担うコーディネーターを養成する。
8月には地元の利根町と協定を締結。
スポーツ、文化、福祉など幅広い分野で協力していくことに加え、災害時に大学施設の一部を一時避難所として開設することなどを決め、地域貢献にも力を入れる。
■戦前にタイムスリップ
大子町上岡の旧上岡小学校は年間10件前後のロケに利用されている。
明治22年建築の木造平屋校舎と戦前から戦後に増築された校舎が緑に囲まれたのどかな風景の中にたたずむ。
閉校して既に11年がたった。
閉校時は取り壊される予定だったが、「珍しい完全な木造校舎で、地域のシンボル」と存続を求めた地域住民が生涯学習などで活用、管理運営してきた。
最近ではNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」で、主人公の母校で赴任先の学校として登場。
映画やテレビなどロケ地として活用されているが、戦前や戦中、終戦直後を舞台にしたドラマが多い。
「極力、閉校した時点の学校をそのまま残そうとした」と上岡小跡地保存の会事務局長の菊池輝雄さん(74)。
「(ロケは)維持費捻出に助かっている」と話す。
「おひさま」で注目され、校舎内を公開した昨年7~11月には約4万6,000人が訪れた。
現在も土日曜・祝日に校舎内を公開している。
産経新聞より
2012年09月14日
バイオガス 燃料に
沖縄ガスと糸満市は、下水処理施設「市浄化センター」から排出されるバイオガスを再利用する実証実験を実施する。
13日、同市役所で協定書を締結した。
浄化センターに隣接する民間工場に配管を設置し、これまで単純燃焼してきたガスを再利用。
同工場は、年間205キロリットルのA重油が削減でき、約100万円の燃料費削減が見込める。
加えて、年間約115世帯分(約570トン)の二酸化炭素(CO2)削減が期待できる。
浄化センターで発生したバイオガスを他工場の代替燃料として再利用する試みは国内初という。
同事業は、2012年度県産業振興基金事業補助金を受けた。
総事業費は約4千万円。
10月から配管敷設工事に着手し、来年1月から施設を稼働する。
下水処理の過程で発生するバイオガスは、可燃性のメタンガスを約6割含んでいるが、県内では大半が燃焼処理されている。
沖縄ガスは2005年から排出バイオガスに関する需要や供給方法などの調査を進めていた。
糸満市工業団地内にある浄化センターの周辺には、バイオガスを代替燃料として利用できる民間工場がある。
需要が見込める上、距離が近く輸送が容易なことが判断材料となった。
上原市長は「本市は、自然エネルギーを利用した環境保全に取り組んでいる。今後も環境保護に取り組みたい」と話した。
沖縄ガスの宮城社長は「糸満市で実績をつくり、県内各地に展開したい」と意気込んだ。
琉球新報より
2012年09月13日
カピバラも喜ぶエコな動物園
埼玉県は、東松山市岩殿にある県こども動物自然公園について、省エネ・創エネ設備を整えた「エコ動物園」に再整備する方針を固めた。
3年をめどに太陽光パネルの設置や照明の発光ダイオード(LED)化、電動バスの導入などを段階的に進め、子ども向けのエコ体験学習施設も整える方針。
本年度は一部照明のLED化と、入園者に人気の「カピバラ温泉」に太陽熱温水器を導入する。
事業費約1,900万円を本年度一般会計補正予算案に計上。
24日開会予定の9月定例県議 会に提案する。
同園は、コアラやキリン、フンボルトペンギン、レッサーパンダなど226種(2012年7月現在)を飼育する県内最大規模の動物園。
一部の動物は約46ヘクタールに及ぶ丘陵地に放し飼いにされ、敷地内には「国際児童記念館」(こどもの城)などの施設も設置されている。
2011年度の入園者数は69万3千人を数え、家族連れに人気の施設。
身近な「遠足の地」として県内外から園児・児童らが数多く来園する。
今後、「動物にふれあいながらエコを学べる」次世代型の動物園にリニューアルし、集客力アップにつなげる計画だ。
1980年5月の開園で施設の老朽化も進行。
エコ化は園内冷暖房施設の効率化を念頭にエネルギー利用の改善を兼ねて実施する。
本年度はカピバラ園の冬季限定の温水施設を灯油利用から太陽熱利用に切り替える。
南米原産のカピバラが暖を求めて「温泉」に浸かる姿は入園者に人気。
これを4キロワット時程度の太陽熱温水器で沸かし、エコ化をPRする。
そのほか、出入り口の照明をLED化する予定だ。
園のある東松山市内は、県が進めるエコタウン計画のエリア地域に指定されている。
今後、エコ化に向けた園内の詳細調査を行い、来年度以降は管理棟の屋根を活用した太陽光パネル発電やコアラ舎などのスマートハウス化、園内を走る蒸気機関車型バスの電動バス化などを検討していく。
また「動物園ならではの楽しいエコ学習」をコンセプトに、エコが学べる体験学習施設や環境展示施設の整備にも取り組む方針。
埼玉新聞より
2012年09月11日
種子油燃料実用化へ
再生可能エネルギーを創出するバイオマス燃料の実用化に取り組む沖縄バイオディーゼルは、種子油が軽油に代替できる多年生植物「ヤトロファ」の事業化を進めている。
沖縄県が今年3月、事業者が採算性を確保できるように作成した事業モデル「ヤトロファ循環シナリオ」を参考に実用化を図る。
2015年に植物油燃料の年間生産量3万トン、20年に15万トンを目標に、県内軽油相場と同程度の販売価格を目指す。
沖縄バイオディーゼルは「ヤトロファ循環シナリオ」の作成に携わった企業、個人の投資により、実用化に向けて今年2月に設立、5月に本格稼働した。
現在、ミャンマーから月に約20トンの種子油を輸入し、精製してディーゼルエンジンを搭載する重機用などとして販売している。
ヤトロファは毒性があり、非食用の熱帯植物。
そのため、穀物の価格高騰に直接影響されにくいという。
アジアではカンボジアやフィリピンなどで生産が盛んで、沖縄が栽培可能地域の北限となっている。
県は2010~2011年度、総事業費5億5315万円の「島しょ型ゼロエミッション・エネルギーシステム構築事業」を実施。
ヤトロファを利用するための「栽培技術」「燃料利用技術」「事業化の検討」の三つの課題を柱に、総合的な実用性について調査研究した。
それらの結果を基に、事業モデルとして同シナリオをまとめた。
優良種の選抜や品種改良による増産技術のほか、これまで廃棄していた実の半分を占める皮と、4分の1を占める胚珠(はいしゅ)の有効活用により、採算性を確保する。
皮はチップ状にして火力発電などの燃料に加工。
毒を持つ胚珠は、無毒化して飼料に再利用する。
同社は現在、カンボジア、インドネシアの農家と契約栽培に向けて調整を進めている。
皮や胚珠の再利用も1、2年以内の開始を見込む。
今後は県内での栽培も視野に入れ、エネルギー安定供給につなげる。
宮城社長は「再生可能エネルギーは地球に優しいが、大量生産するのが難しい。まずは安定供給体制をつくり、コストを低く抑えたい」と意気込みを語った。
【長嶺真輝】
琉球新報より
EVでエコ宅配
トヨタグループのトヨタ車体の1人乗り超小型電気自動車(EV)「コムス」を使った商品宅配サービス「セブンらくらくお届け便」が10日、茨城県内のセブン-イレブン4店舗で始まった。
宅配サービスはセブン-イレブンのほぼ全商品が対象。
これまでは、電話や店頭で注文を受けた商品を自転車などで配達していたが、超小型EVの導入によりサービスの周知、効率化を図る。
この日は、水戸市西原の「セブン-イレブン水戸西原店」で、商品を積んだEV1台が配達に出発。
米倉香店長(25)は「お年寄りなど宅配サービスの利用は増えている。
これからは雨の日にも気兼ねなくご利用いただける」と笑顔を見せた。
産経新聞より
2012年09月10日
業界トレンドNEWS ガラス編
ガラスの用途として大きな割合を占めるのは、ビルや住宅、自動車などに用いられる「板ガラス」と、液晶テレビなどで利用される「ディスプレイ用ガラス」だ。
最近では、普通の板ガラスより透明度が高く、反射もしにくい「太陽光発電パネル用ガラス」の需要も伸びている。
また、デジタルカメラや医療器具などに 使われる光学レンズ用ガラス、食器や装飾品など工芸品向けのガラスにも一定のニーズがある。
国内メーカーとしては、幅広い種類のガラスを手がける旭硝子(2011年度売上高1兆2146億円)、建築・自動車用ガラスに強い日本板硝子(5522億円)、カメラやメガネなど光学ガラスの分野で存在感を誇るHOYA(3606億円)、ディスプレイ用ガラスが主力の日本電気硝子(3382億円)、建築用・自動車用ガラスがメインのセントラル硝子(1674億円)が上位を占める。
リーマン・ショック後の不況により、2009年度における上位5社の総売上高は大きく減少した。
10年にはかなり持ち直したものの、11年は再びマイナス成長となった。
原因としては、東日本大震災やタイの洪水による自動車生産の 落ち込みなどが挙げられる。
BRICsやASEANなど新興国の経済成長に伴い、建築用ガラスや自動車用ガラスの需要は今後高まると見込まれている。
ただし、中国をはじめとした新興 国の成長が鈍化しているという分析もあり、楽観視はできない。
一方、薄型テレビやスマートフォン、タブレット端末の普及により、ディスプレイ用ガラスのニーズは急拡大。
しかし、薄型テレビを筆頭に完成品の価格競争が激しく、ガラスの価格にも値下げ圧力が高まっている状況だ。
また、太陽光発電パネル用ガラスも需要が伸びているが、こちらも価格競争が激化している。
業界志望者は、各需要先の動向や需給バランスに関するニュースも、ぜひチェックしておきたい。
ガラス業界では、「協調と競争」の考え方に基づき、ある分野で競合関係にある企業同士が他分野では協力するケースも珍しくない。
ガラスは一般的に、大量生産することで価格競争力が増す「規模の経済」の原則が働きやすい商材であることから、生産効率を高めるために大規模な設備投資が必要となる。
一方で、投資額が増えれば増えるほど、需要が減ったときに投資を回収できなくなる危険性が大きくなるという問題が存在する。
そこで、異なる企業同士で投資を分担しあって設備を共有することで、大規模な設備投資をしながらも、危険性を軽減する工夫が図られることがある。
また、近年の建築需要は先進国だけでなく新興国でも旺盛なので、ニーズは国際的に分散している。
グローバルな市場展開を素早く進めるために、自社が今まで拠点を持っていなかった地域では、パートナーと提携することが重要になっている。
単純な価格競争に陥らないために、高機能ガラスの開発も不可欠だろう。
各社は、遮熱性が高くて室内の冷気・暖気を逃がさない「エコガラス」、割れづらくて防犯対策になる窓ガラス、UVカットガラスや雨粒をはじく自動車用ガラス、耐久性や防音性に優れたガラスなどを開発し、競合との差別化を図っている。
就職ジャーナルより
2012年09月09日
「スマート家電」
大手電器メーカーの「パナソニック」が発売するAndroidスマートフォンと連動した「スマート家電」シリーズについて、インターネットのユーザーから「どこがスマートなの?」と疑問の声が出ている。
外出先からの遠隔操作でエアコンのスイッチを入れたり、ごはんが炊けていたりするのであれば、これまで以上に便利な生活を送れそうなはずだが、まだ出はじめということもあり、実際にはそこまで便利ではないようなのだ。
パナソニックの「スマート家電」は、エアコンやドラム式洗濯乾燥機、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、体組成バランス計や活動量計、手くび血圧計の8製品。
すでに炊飯器と電子レンジは、2012年6月から発売している。
問題はこの中で、本当にスマホと連動したほうが便利に使える、高度なテクノロジーが必要な製品があるか、だ。
パナソニックによると、洗濯機や炊飯器、電子レンジでスマホは、主に「リモコン」として使われている。
スマホの専用アプリでメニュー選択して製品にかざすことで、設定内容が転送される仕組みだ。
たとえば、2012年9月25日発売のドラム式洗濯乾燥機では、洗剤や柔軟剤の分量や洗濯の目的に合わせたコースの設定などをスマホに入力しておきながら、これを洗濯乾燥機に「タッチ」しなければならない。
これでは遠隔操作にもならないし、全然「スマート」ではない。
同社としては、「クラウド上のデータを元に、適正な洗剤や柔軟剤の量を設定できる」のが「売り」らしいが、洗濯乾燥機に直に入力して設定したほうが早いし、「タッチする」というひと手間がいらなくなる。
「エコナビ」を搭載した冷蔵庫(10月20日発売予定)も、スマホを冷蔵庫に「タッチする」ことでエコ情報を確認できるのが特徴。
リビングに居ながらにして、手元のスマホで確認できるわけではない。
本来はスマホとの連動が魅力のはずの製品なのに、それを生かしきれていないようだ。
エアコン(10月19日発売予定)は外出先からスイッチのオン/オフを操作できるので、帰宅したら涼しい部屋が待っているということが可能で、これは便利そうだ。
ところが、外出先からの遠隔操作を可能にするには別売りのルータとアダプタが必要で、標準搭載していない。
これについてパナソニックは、「遠隔操作が必要ない人もいるので…」と説明。
同社の調べでは「(エアコンの)遠隔操作を使ってみたい」という人は約30%いたが、「製品としては成熟していないこともあります。これ(30%)が70、80%になっていけば(標準搭載の製品が)出せると思います」と話している。
一方、体組成バランス計や活動量計、手くび血圧計といった健康関連製品は、これまではパソコンとUSBメモリなどで接続して記録をつけていたことを考えると、ワンタッチでスマホからクラウドまでデータを展開できるので便利になる。
長期間にわたるデータの記録と分析が有効に使えるので、「スマート家電」としての効果が期待できる。
現段階ではまだ「バラつき」「物足りなさ」があるものの、さらに技術革新が進めば、外出先やリビングからスマホで家庭内のほとんどの家電製品をコントロールすることが可能になりつつあることは確かなようだ。
J-CASTニュースより
2012年09月08日
海底耕し生産アップ
岡山県内漁業の三本柱の一つとされる養殖ノリの生産増加策を探ろうと、県などは近く、児島湾口の海底を大型の鋤(すき)で耕す実験を始める。
県内では近年、栄養不足でノリが黒く仕上がらない「色落ち」が深刻化している。
県は海底を耕すことでノリの養殖棚付近の海水の栄養分を増やす効果を期待する。
県内の養殖ノリ生産額は昨年度約20億円で漁業生産額の4分の1を占める。
だが生産額は2001年度の6割まで落ち込み、廃業する養殖業者もいる。
ノリの生育に必要なチッ素など栄養分が足りず、生育不良のために色落ちが起きている。
原因は、少雨で川からの栄養分が減少▽大量発生したプランクトンが栄養分を横取りする――などが考えられている。
海底を耕す手法は「海底耕うん」と呼ばれ、兵庫県や香川県も実験している。
瀬戸内海には栄養分は豊富でも、生き物が生息できないヘドロがたまった海域も多い。
鋤で耕すと、ヘドロの栄養が海水に溶け出し、ノリに供給される可能性がある。
長期的には、ヘドロの下の砂地に酸素を供給することでプランクトンを食べる貝類が増え、ノリの生育環境が改善することも期待できるという。
実験は、海底耕うんを知った小串漁協(南区)が県に提案した。
県は高さ1.2メートル、底辺85センチの三角形で5本の突起がついた鉄製の鋤を製作。
9~10月に漁船で鋤を引いて水深5メートルの海底約3ヘクタールを耕す。
事業費は鋤の製作費など約22万円で、漁船による作業の費用は小串漁協が負担する。
児島湾は県内のノリ養殖業者の8割を占め、栄養不足が深刻化する1、2月に国との協議を経て、苫田ダムの緊急放流をしている。
だが効果は放流期間中に限られる。
同漁協の竹原槙男組合長(80)は「海底耕うんは私たちでも取り組める。自分たちの手で海を活性化させたい」と話している。
【井上元宏】
毎日新聞より
2012年09月07日
「ガラスの街」
富山県内で独立して創作活動をしているガラス作家34人で昨年11月に創立した富山ガラス作家協会(池田充章さんら4 人の共同代表)の創立記念展「未来への架け橋」が6日、富山市総曲輪の富山大和で始まった。11日まで。入場無料。
ガラス造形研究所や富山ガラス工房などを運営する富山市では、多くのガラス作家が多彩な活動を展開中。
さらに2014年には市内に美術館もオープン予定で、「ガラスの街」として全国的にも知られている。
そこで、創作活動と平行して、芸術に関する環境や社会と積極的につながりを持ったり、創作環境の向上を目指そうと、池田さんや富山市岩瀬で工房を持つ安田泰三さんらが昨年4月に発起人会を開き、協会の設立を目指していた。
メンバーは3年以上の作家活動歴があり、富山に定住しようという意志のある作家34人。
同展には、この中の29人が参加して、約160点の作品を展示。
安田さんの大皿「雀輪」は木の年輪をイメージさせる模様が重厚感を演出。
安田さんは得意のレース技法で直径約60センチもの大きな花器を制作した。
吹き、キルン、ステンドグラス、トンボ玉など、多彩なガラス造形技術が堪能できるのも特徴的だ。
今後は研究所やガラス工房などの施設と連携し、富山市のガラス行政に協力していく方針。
池田さんは「富山のガラス作家が一つにまとまってガラスアートの世界をさらに広げていきたい」と話している。
【青山郁子】
毎日新聞より
2012年09月06日
がれき9割超リサイクル
環境未来都市を目指す宮城県東松島市が東日本大震災のがれき処理で、リサイクルを進めている。
市内で発生したがれきの9割以上は資源として再利用する方針。
大きな被害を受けた2003年の宮城県連続地震で、がれき処理に苦心した教訓を生かした。
市によると、約156万8,000トンと試算した市内のがれきのうち、宮城県に処理を委託するのは廃畳や衣類、漁網、廃プラスチックなど約3万4,000トンで、市が破砕した後に県の施設で焼却する。
それ以外は全てリサイクルする計画だ。
がれきの29%を占める木くずのうち、自然木は破砕して建築・土木資材や地盤のかさ上げに使用、建築廃材は焼却炉の助燃剤やバイオマス発電の燃料に活用する。
21%のコンクリートは破砕し、砂利などに使う。
市の大友利雅市民生活部長は「復興需要もあり、資材は不足している。
復旧工事に使うため、がれきの再生材は備蓄しておきたい」と説明する。
被災自治体の多くは、がれき処理で回収・保管する1次処理に手いっぱいで、分別・破砕・焼却の2次処理や埋め立てなどの最終処分は県に委託している。
独自に処理している自治体は東松島市のほか、仙台市や松島町などで、仙台市は5割以上、松島町は8~9割のリサイクルを目指している。
東松島市は市建設業協会と協力した独自の仕組みで、がれきの回収、仮置き場への搬入段階から分別を徹底し、その後の処理作業の円滑化を図った。
今回の対応は、宮城県連続地震の反省を踏まえた。
当時は市内で約9万5,000トンのがれきが発生。
分別しないまま仮置き場に山積みとなったため処理に手間取り、費用も約12億円と当初見込みを4億円も上回った。
大友部長は「震災で出たがれきは、かつては市民の財産だった。
捨てるのではなく、資源として生かしたい」と話した。
【高橋公彦】
河北新報より
2012年09月05日
響灘ビオトープ
北九州市は、若松区響町の廃棄物処分場跡地に自然発生的にできた国内最大級のビオトープ「響灘ビオトープ」を10月6日、正式にオープンさせる。
環境省が絶滅危惧種に指定しているチュウヒなどの野鳥やベッコウトンボなどの昆虫をはじめ500種以上の動植物が生息しており、自然への理解を深める場として期待されている。
ビオトープは「地域の野生生物の生息空間」を意味するドイツ語。
響灘ビオトープは、80~86年に産業廃棄物を埋め立てた後、跡地を放置した間に自然に出来上がった。
約41ヘクタールで、人工区画されたビオトープでは国内最大。
日本のビオトープの実験地とされる滋賀県長浜市の「早崎内湖(はやざきないこ)ビオトープ」(17ヘクタール)の約2.4倍になる。
響灘ビオトープでは、これまで絶滅危惧種のサンカノゴイやコアジサシ、ハヤブサなど237種の鳥類と、284種の植物、24種類のトンボやメダカが確認されている。
北九州市は2010年度から、月1回のエコツアーに限定して仮オープン。
その間に約4億円をかけ、展示室や講義室、トイレなどを備えるネイチャーセンター(約600平方メートル)▽トンボ池観察デッキ▽野鳥観察施設▽見晴らし台――などを整備してきた。
市は、5日開会の9月議会に提案する「市響灘ビオトープ条例」案で、動植物の捕獲や採集などの制限・禁止事項を定めた。
入園料は一般100円、小中生50円で、ネイチャーセンターへの入館は無料となっている。
【内田久光】
毎日新聞より
2012年09月04日
全国都市緑化フェア
少しずつ涼しくなってきて、秋の訪れを感じる頃。
ぽかぽか小春日和の休日には、のんびり彼と一緒にお散歩デートしてみるのもステキ。
季節の植物を見て、四 季の移り変わりを感じるなんて、なかなか風情があるよね。
だけど東京は“コンクリート・ジャングル”なんて言われているくらいだから、季節を感じるような花や植物と縁遠い街って、思っている人は多いはず。
せっかく四季折々の魅力がある日本にいるのに、そんな趣ある季節の移り変わりを体験できないのは、残念…。
そんな都内各所で、“緑”を感じられるイベントをご紹介☆
「第29回全国都市緑化フェアTOKYO~TOKYO GREEN 2012~」が、9月29日から10月28日まで開催される。
「全国都市緑化フェア」とは、緑豊かな都市づくりをするため1983年から毎年全国の都市で 開催されている花と緑の祭典。
東京では1984年に第2回目が行われて以来、28年ぶりの開催となる。
今回のテーマは「緑の風が吹き抜ける東京」として、6カ所の公園がメイン会場となるほか、区市町村の公園や施設からなる協賛会場、各会場を結ぶ道路や河川の緑からなる「緑の回廊」が設けられる。
メイン会場となるのは、上野恩賜公園、井の頭恩賜公園、日比谷公園、浜離宮恩賜庭園、海の森、国営昭和記念公園の6つの公園。
会場ごとにそれぞれ立地の特 色を活かした、異なったテーマが設けられている。
そのうち吉祥寺の井の頭恩賜公園では、「ふれあいとにぎわい、交流の風」をテーマに、花や緑を“見る・食べる・触れる・嗅ぐ・聞く”の、五感で感じられるテーマガーデン群で構成される。
例えば「実の庭」では、果物や秋野菜を中心とした鑑賞菜園で、ガーデンショップカフェを併設予定。
いつもお店で並んでいる果物が、実際に木に生っている様子を見ることはないはずだから、いい機会になりそう。
このイベントをきっかけに、夏から秋への移り変わりを告げてくれる植物を観察してみると、いっそう日本の四季を楽しめそう。
期間中は都内各地で行われているから、今年の秋は緑を満喫するデートの計画を立ててみて!
オズモールより
2012年09月03日
「ナイキVSアディダス」
既存の施設を活用しつつ、開発の遅れていたロンドン東部地域の発展を目指すなど、都市型五輪の新たな形態として注目を集めたロンドン五輪。
競技でも陸上競技のスーパースター、ジャマイカのウサイン・ボルトが2大会連続の3冠達成に成功したのをはじめとして、注目すべきトピックスが満載の大会だった。
一方でアスリートのパフォーマンスを支えるシューズをはじめとしたギアに関しても、各ブランドは独自のテクノロジーやマーケティング戦略で凌ぎを削っていた。
今回は特に「ナイキ」と「アディダス」という2大スポーツブランドのロンドン五輪におけるプロダクト戦略およびマーケティング戦略にスポットを当ててみる。
今大会で最も注目を集めたのはジャマイカのスプリンター、ウサイン・ボルトで間違いないだろう。
陸上競技の100メートル、200メートル、そして4×100メートルリレーの3冠を北京五輪に続いて達成するという史上初の快挙を成し遂げた。
しかしながら、もうひとつの「ボルト」の活躍があったことをご存じだろうか。
ここでいうボルトとは、ウサイン・ボルトの「BOLT」ではなく、ナイキが契約アスリートの多くに提供したシューズのカラーリング「VOLT」。
視認性に優れた蛍光カラーで、以前の記事でも紹介した「ナイキ フライニット レーサー」を筆頭に、「ナイキ ルナスパイダー R3」「ナイキ ルナレーサー」「ナイキ ズームストリーク 4」といったさまざまなモデルで展開した。
結果、陸上トラック、マラソンコースをはじめとした競技会場で圧倒的に目立つ存在となり、ナイキのブランドアピールに大きく貢献したのだ。
視認性の高いフットウエアを契約選手に提供する手法は、決して新しいものではない。
リーボックが「CITRON」という遠くからでも視認可能なネオンカラーのブラッダー(空気袋)を採用した「インスタポンプ」シリーズを契約アスリートに提供し始めたのは1993年。
ナイキも2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会では4つの異なるモデルのシューズにパープル/オレンジの共通カラーを施し、ブランドアピールに成功していた。
しかしながら今回のVOLTカラーは着用人数が多かったこと、着用アスリートが数多く上位に進出したことから、その露出は際立っていた。
本来、アスリートは自分の好みのカラーやこれまで勝利を収めてきた縁起の良いカラーで競技に臨みたいところ。
しかし今回のロンドン五輪ではナイキの契約アスリートのほとんどがVOLTカラーのフットウエアを着用し、特に陸上競技での同カラー占有率は非常に高かった。
筆者もウサイン・ボルトが100メートルで五輪新記録をマークした8月5日にメインスタジアムを訪れ、男子100メートル決勝以外にも女子400メートル、400メートルハードル、男子1500メートル、3000メートル障害といった競技を観戦したが、レースの組によっては1人を除き全員のアスリートがVOLTカラーを着用していたケースもあり、今大会のオフィシャルスポンサーではないナイキとしては、ブランド露出という点で大成功を収めたといえるだろう。
ひとつ誤算だったのは、女子マラソンを制したティキ・ゲラナ(エチオピア)と男子マラソンを制したスティーブン・キプロティック(ウガンダ)がVOLTカラーではないナイキシューズを履いていたことか。
ナイキは競技場外でのPRも巧みだった。
オックスフォードサーカス、ピカデリーサーカスといったロンドン屈指の乗降客となる地下鉄駅構内の至るところに広告を出して構内を広告ジャックすることにより、大会中のブランドアピールにも成功。
この広告戦略によって、ロンドン市民のなかでも「ロンドン五輪の公式スポンサーはナイキ?」と勘違いしているひとも少なくないということを、マスコミが報じていたほどだった。
一方、ロンドン五輪の公式スポンサーであるアディダスも黙ってはいなかった。
スポーツウエアプロバイダーのアディダスはドイツ、フランスはじめとした11カ国のユニフォームを正式提供していたが、なんといっても注目を集めたのが「TEAM GB」、すなわち英国代表ユニフォームだ。
ディレクタ―に人気ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー(元ビートルズのポール・マッカートニーの娘)を起用。
彼女は英国旗のユニオンジャックをファッショナブルにアレンジし、スポーティーで機能性に優れながら、これまでのチームユニフォームにはない洗練されたデザインに仕上げた。
これにより、英国代表チームのユニフォームはサッカーカテゴリーを筆頭に、軒並み良好なセールスを記録したという。
英国国内でファッション感度の高いスポーツショップの代表格として知られる「JDスポーツ」のショップスタッフが「W杯を含めてもこれだけユニフォーム関連の商材が売れるのはなかなかないこと。
なんといってもスタイリッシュなデザインが好調なセールスの理由だろうね。
外国人観光客からの人気も高いよ」というように、ステラ・マッカートニーのクリエイティビティは英国国民のみならず、世界中から訪れる観光客のハートもキャッチすることに成功したようだ。
フットウエアに関してアディダスはレッド/ホワイトをテーマカラーに、陸上競技からフェンシングやボクシング、ウェイトリフティングまでさまざまな競技の専用シューズを開発。
スプリント種目のタイソン・ゲイ(米国)やベロニク・キャンベル・ブラウン(ジャマイカ)をはじめとした多くのアスリートが着用したが、ナイキほどカラーの統一を強制しなかったようで、女子マラソン日本代表の尾崎好美選手と木崎良子選手など、好みのカラーを着用する選手も珍しくなかった。
さらにアディダスは今大会の7万人を超えるボランティアスタッフが着るアパレルとシューズを提供。
注目はボランティアが履いていたシューズだ。
「FLUID」と名付けられたプロダクトは日本でも展開された「フルイドトレーナー」をベースに、屈曲性に優れたソールユニットとアッパーを組み合わせて快適な履き心地を追求したモデル。
市販モデルと異なっているのは、アッパーのパターンを変更してパターン効率が70%を超え、廃棄物削減に貢献していることであり、アディダスの歴史のなかで最も地球環境に配慮したプロダクトのひとつとなっている。
これ以外にもテニス競技男子シングルスで金メダルを獲得したアンディ・マレーが着用していたテニスウエアはペットボトルからリサイクルされたポリエステルを使用するなど、アディダスにとって機能性と地球環境保護の両立も大きなテーマだったようだ。
さらにアディダスは五輪開催期間中、カーナビーストリートの1本裏側ニューバーグストリートに「adizero primeknit」のポップアップ(期間限定)ストアをオープン。
「adizero primeknit」とはナイキのフライニットと同様にシームレスのワンピースアッパーを採用したランニングシューズ。
このポップストアのみで2012足を限定販売(212ポンド、日本円で約2万6500円。2012年8月末現在)。
シュータンにはシリアルナンバーが編み込まれるといったスペシャル感満載の仕様に加え、インソールや店頭に置かれたリーフレットに「made in germany」と表記するなど、ドイツのクラフトマンシップを強調していた。
この「adizero primeknit」がロンドン五輪でトップアスリートが着用されたかどうかは不明だが、そのスタイリッシュなデザインはストリートシーンで着用しても、足元のアクセントとして最適。
今回はゲリラ的に展開されたようだが、日本を含めた世界で展開しても大きな話題となることだろう。
今回のロンドン五輪はホテル料金の高騰や柔道競技などにおける不可解な判定など、いくつかの問題もあったが、おおむね成功裏に閉幕したといってよいだろう。
その裏で繰り広げられたスポーツブランドの熾烈なプロモーション戦争にも注目が集まり、オフィシャルスポンサーとして正攻法のマーケティング戦略とプロダクト戦略で今大会に臨んだアディダスに対し、VOLTカラーのシューズで効果的なブランド露出に成功したナイキをはじめとして、各ブランドの最先端プロダクトが世界最高のスポーツの祭典で凌ぎを削った。
4年後のリオデジャネイロ五輪では今大会以上の激しい戦いが繰り広げられることは間違いない。
マーケティングプロモーションにおいても、プロダクトテクノロジーにおいても。
【南井正弘】
nikkei TRENDYnetより