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2012年08月22日

水上緑化

種苗最大手のサカタのタネは、池や水辺の景観や水質を改善する「水上緑化」事業に参入する。

水質汚染の原因となる窒素などを取り除く能力がある独自品種の花を開発、水上の花壇に植える。

花壇は自動給水のため管理が容易で、廃材の再利用で設置費用を抑える。

節電で池の噴水を止めている事業者や、公園の集客力を高めたい自治体などの需要を見込む。

花壇に植えるのはサカタのタネが開発した「サンパチェンス」。
亜熱帯地方のアジアなどに生息する園芸植物のインパチェンスを改良した。
夏に日差しや暑さに強く、成長が早いのが特徴だ。

サンパチェンスは岡山大学との共同研究で、1日で1平方メートル当たり0.42~0.53グラムの窒素、同0.04~0.07グラムのリンを除去することを確かめた
水質改善効果が高いヨシとほぼ同じ値という。

花壇は1基の大きさが横60センチ縦40センチで、サンパチェンスの球根の輸送時に使うコンテナを再利用する。
このコンテナ1つを池などの底に置き、園芸用のテープを巻いて装飾したコンテナを重ねる。
例えば1基にサンパチェンスを2株植えると、設置費は1基当たり5,000~6,000円となる。

花壇の土中には給水マットを敷き、先端は水中に浸す。
通常の花壇なら月2回ほどのメンテナンスが必要だが、この方式は自動で水分補給するため、一度植えると原則1回で済むという。
花壇は日光を遮るため水中のアオコの発生を抑える効果もあるという。
サンパチェンスが咲く時期以外はチューリップへの植え替えを提案する。

サカタのタネでは全国の支店の営業担当者を中心に花壇を設置できる人材を育て、全国に事業展開する。
今年4~7月は自治体やテーマパークなどから約600基の注文があり、試験的な導入が広がっている。
「コスト削減や節電を理由に人工池の噴水を止める自治体や企業は増えている」(造園緑化部)ことから、来年は2倍以上の売上を見込んでいる。

日経産業新聞より

投稿者 trim : 2012年08月22日 13:14