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2012年05月12日
小魚の重要な藻場
東日本大震災による津波で大きな被害を受けた松島湾の海域環境を復興させようと、国交省と「松島湾アマモ場再生会議」(会長・桑原茂塩釜商工会議所会頭)は11日、松島湾内で現地調査を行った。
津波で大半が消失した海草「アマモ」の生育実態を把握するのが目的で、調査結果をもとに再生事業に取り組んでいく。
アマモは、陸地に近い水深1~3メートルの砂泥底に生育し、群生地は小魚の生育や産卵の場として重要な藻場となっている。
震災前には松島湾内で合わせて1,300ヘクタールあった群生地は、津波被害でその80%が消失した。
この日は再生会議のメンバー、国交省塩釜港湾・空港整備事務所の職員らが3隻のボートに分乗し調査を開始。
松島湾北部は被害が大きかったものの、塩釜市沿岸部には群生地が残っていることが分かった。
長年、同湾の環境調査を行っている再生会議の伊藤栄明副会長は「アマモ場がなくなれば、将来的に魚そのものがいなくなってしまう恐れがある。津波で海底の地形も変化したが、生育に適した場所を探して、残されたアマモの種苗を移植したい」と話している。
移植した場合、アマモは約1年間で生育し、群生地が再生するという。
国交省と再生会議は15日、塩釜市内で第1回の「松島湾の海域環境復興を考える検討会」を開催。
海洋生物の研究者らを交えて今回の調査結果を分析し、今後の事業方針を話し合う。
河北新報より
投稿者 trim : 2012年05月12日 13:29