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2012年04月23日
京浜工業地帯に緑の景観
京浜工業地帯の中枢として高度経済成長をけん引した川崎臨海部のイメージアップへ、川崎市は2012年度、「臨海のもりづくり」に着手する。
先端研究、ものづくり、港湾、流通といった多様な機能が集積し、日本経済の縮図ともいえる同エリア。
国際戦略総合特区の指定や隣接する羽田空港の国際化を背景に、近年は「世界から注目されるエリアになっている」(市建設緑政局)。
緑豊かな産業集積地の形成へ新たな試みが始まる。
多摩川を挟んで羽田空港に臨み、特区域の拠点となる川崎臨海部の殿町3丁目地区(川崎区、約40ヘクタール)。
医療、創薬分野に関連した先端施設の整備とともに、大規模公園の整備、桜並木の植樹が進められている。
既存の工業集積地という特徴を生かしながら、新たな国際的なエリアの“顔”として、心地よい 景観を創り出し、関連施設の利用者、来訪者にも憩いの場にしてもらう取り組みだ。
4月に相次いで供用が開始された公園は、市街地から特区域への玄関口に位置する下河原公園(約0.35ヘクタール)と、拡幅工事が行われている殿町第2公園(約1.3ヘクタール)の一部。
殿町3丁目地区の公園面積は約9,200平方メートル分も拡大する。
大師橋の下流から特区域へ続く多摩川の堤防沿いには桜並木が続き、花見の名所としても知られる。
市は新たに多摩川側のオープンスペースを活用し、サクラの植樹を進める計画。
植樹が完了すれば、春には特区一帯がサクラの花に彩られた光景になる。
従来、市は川崎臨海部の立地企業と連携し、積極的に緑化を推進。
公園緑地(港湾緑地含む)は52カ所・約48.2ヘクタール(3月現在)に上り、主要幹線道路の街路樹、事業所内緑化にも取り組み、工業地帯の環境負荷の改善に努めてきた。
これまでの緑化推進を基盤に、国内外から多くの人々が集まるエリアにふさわしい景観形成も視野に入れ、市は「今まで以上に魅力ある臨海部を目指して、『かわさき臨海のもりづくり』の取り組みを進める」方針。
臨海のもりは、事業所の緑化地、公園緑地などを街路樹などの緑でつなぎ、多摩川や運河を含めて、臨海部を緑豊かな「もり」にするイメージを表現したものという。
具体的には、将来像として「海風を導く緑のネットワーク」「臨海部ならではの景観」「海と親しめる場」「市民・事業者の憩いの場」「協働による魅 力ある環境」―の5点を提示。
2017年度を目標年次に具体化を進める。
臨海のもりの推進と国際戦略拠点の形成―。
市は環境に配慮した21世紀型の産業集積地を構築することで、川崎市全体のさらなるイメージアップにもつなげていきたい考えだ。
カナロコより
投稿者 trim : 2012年04月23日 15:24