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2012年03月26日
家庭のCO2削減量を「見える化」
長谷工コーポレーションは、マンション建築の際に、導入する省エネ機器や断熱材の仕様に関する数値などを入力すれば、住戸の二酸化炭素(CO2)削減量や電気料金などの削減額を“見える化”するプログラムを開発した。
新築分譲マンションの設計だけでなく、子会社の長谷工リフォーム(東京都港区)によるリフォーム提案にも活用し、環境負荷低減型の物件普及を推進していく。
開発したプログラムでは、間取りが3LDKで延べ床面積75平方メートルの住戸で4人家族が標準的な生活を送った場合、従来のベースとなった物件と省エネ仕様の効果を数値を比較できる。
例えば、1990年仕様の物件の場合、一般的なガス給湯器が設置され開口部は単板ガラス、室内照明は白熱灯と蛍光灯だ。
これに対して現在提案している物件は、省エネ効果に優れた給湯器「エコジョーズ」を設置。
断熱材も厚くしているほか、複層ガラスを導入し、室内照明の大半はLED(発光ダイオード)電球だ。
この両者を比較すると、CO2削減率は年間16.9%となる。
ただ、「CO2削減量だとピンとこないが、ランニングコストだと居住者の方が興味を持ちやすい」(長谷工の青山勝・技術推進部門商品企画室企画チームチーフ)という考えから、コスト削減額も提示。
提案する省エネ物件の場合、年間の電気料金とガス料金は合計で14.1%下げられるとしている。
マンション事業者側から「もう少しCO2を削減できないか」といった提案があれば、「『複層ガラスを(遮熱と断熱機能を兼ね備えた)LOW-Eと呼ばれる複層ガラスに交換した方が大きな効果を発揮できる』といった提案も行い、より高度な環境共生型マンションを実現できる」(香川氏)点も特徴だ。
住居用の省エネ機器や建材などは、それぞれのメーカーが個々の商品について電力消費量などの効果をうたっているが、メーカーごとに算出基準が異なる。
また、機器ごとに電気やガス料金割引の形態が異なっていることもあって、単純に各機器や建材などの効果を足し算するだけでは、全体の省エネ効果を算出するのは難しかった。
長谷工は今回、実際に家族が日常生活でどの程度のエネルギーを使うかなどのこれまでのデータを応用し、新しい算定基準を設定して比較を可能にしたとしている。
【伊藤俊祐】
フジサンケイ ビジネスアイより
投稿者 trim : 2012年03月26日 11:30