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2012年01月03日
六本木に“森”が出現
東京都港区内の赤坂や六本木で「アークヒルズ」や「六本木ヒルズ」を開発してきた森ビルが今年8月、その中間に位置する地域で再開発事業「虎ノ門・六本木地区プロジェクト」を完成させる。
最大の特徴は約2万平方メートルの敷地内を森のように植物で埋め尽くすことだ。
六本木ヒルズを上回る緑化への取り組みは、都心の新たな散策路として訪れる人たちを楽しませることになりそうだ。
林野庁の宿泊施設「麻布グリーン会館」跡地や閑静な住宅地に広がる約2万平方メートルを再開発する同プロジェクトは、森ビルと地元地権者が一緒になって進めてきた開発事業だ。
構想段階から20年以上を経てようやく完成することになった。
敷地内には、オフィスと住宅が入居する地上47階建ての「複合棟」と、主に地権者が入居する8階建ての「住宅棟」が建設される。
ビルに入る商業施設はコンビニエンスストアなど一部に限られる。
その点では、ファッションやグルメなど多くの最先端店舗が入る六本木ヒルズなどとは異なるが、遠方からでも訪れたくなるよう敷地内を全面的に緑化した。居住者以外にも公開するという。
その際に配慮したのは東京の生物多様性を維持しようとしたことだ。
見た目は美しいものの外来種である常緑樹は植えず、従来、この地域に根ざしていたヤマザクラやイロハモミジといった在来種を植樹する。
さらに小鳥などが巣作りしたり、餌を確保したりしやすいようにあえて枯れ木を20本植えるほか、開発で出た土も再利用するというこだわりようだ。
従来、この場所の緑地率は17.6%だったが、31.9%に拡大するという。
森ビル設計統括部の山口博喜技術顧問は「自然環境に敏感な小鳥のコゲラを頂点に、さまざまな生き物が生息できる緑地づくりを目指す」と語り、再開発と自然環境の再生の両立に意気込みをみせている。
産経新聞より
投稿者 trim : 2012年01月03日 14:04