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2011年09月23日
環境関連技術の展開へ
沖縄県内企業が持つ環境関連技術の県外・海外への展開可能性について考える「沖縄環境・エネルギーフォーラム」が22日、那覇市内のホテルで開かれた。
「沖縄発 環境ビジネスのアジアへのアプローチ」と題したパネル討論では、公害や環境問題が深刻化している中国での技術ニーズや進出時の課題について意見を交わした。
環境技術を輸出している企業代表者や専門家らは、大規模発注に対応する進出体制づくりや産学連携の強化を説いた。
人口13億人を抱える中国では経済成長の傍ら、廃棄物や水の処理が追いつかず環境問題が深刻化している。
中国での工場経営や日系企業の支援を手掛ける東莞チャイナワールドエンタープライズの谷口鋭一会長は、中国がインフラ整備を急ぎ過ぎているため「高速鉄道事故のような問題がごみ処理などの環境関連施設でも起こる可能性がある」と指摘、「日本の高度な技術や管理手法が必要とされ始めている」と強調した。
中国政府の環境関連投資は5年間で40兆円規模が予定されている。
大規模発注に対応するためにも「中小企業はチームを組み、政府が主導して現地のビジネスチャンスをつかむべきだ」とアドバイスした。
日本沖縄華僑華人商工連合会長の張険峰氏は、県内企業の中国進出の課題として
(1)現地の情報不足
(2)中小企業の宣伝力不足
―などを挙げた。
「現地で人脈を作り、情報収集窓口を設ける必要がある。連合体での進出がビジネスを安全に進めやすい」と提言した。
廃ガラス処理技術で県外進出の実績があるトリム(那覇市、新城博社長)は現在、廃ガラスから人工軽石「スーパーソル」を製造する自社プラントを、海外では初めて米国と台湾の企業に販売する交渉を進めている。
新城氏は「海外では大学の権威が非常に高く、技術開発で大学と連携し国全体で技術の裏付けができる信頼があるが、日本では大学の証明書をとっても認知されない違いがある」とし、産学連携の実績を増やす必要性を指摘した。
フォーラムは沖縄総合事務局の「島しょ型環境・エネルギー関連産業創出促進事業」の一環。
県内14社と技術協力の体制構築で研究会を立ち上げており、中国を手始めに環境ビジネスモデルを構築、年度内に県内2社の事業化を目指している。
沖縄タイムスより
投稿者 trim : 2011年09月23日 10:30