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2011年07月10日
外部から-5℃“涼しい”屋根緑化
山梨県南アルプス市の県木材協会「木の国サイト」が、4月に展示用ログハウスに施工した「屋根緑化」の太陽熱遮断効果実験に関する中間報告をまとめた。
屋上に土を敷いて植物を育てる緑化方法を勾配のある住宅屋根用に改良したもので、軽量土を詰めたポリエステル製チューブの上に芝生を並べるというシンプルな方法だが、外気が30度を超えても、室温は25度台という結果をみせた。
エアコンに頼らない新たな猛暑対策といえそうだ。
実験に使われているのは、6畳タイプと4畳タイプのログハウス。
6畳タイプのトタンふき屋根上にこの方法を開発した埼玉県の屋上緑化施工会社、ミヨシフロンティアが4月に施工した。
鉄筋コンクリート製の平らな屋上では土を入れ、植物を育てることができるが、勾配がある住宅の屋根には直に土を載せられない。
雨が降れば土が流れてしまうためだ。
そこで砂漠緑化用に作られたメッシュ仕立ての直径7㌢のポリエステル製のチューブに屋上緑化用軽量土を詰め込み、これを屋根に敷いて芝生を載せた。
1カ月後には芝生がチューブ内の土に根を張る。
計画通り、5月下旬には芝生が軽量土に根付き、木の国サイトが室温データを取ってきた。
木の国サイトのデータによると、屋根緑化を施したログハウスと屋根緑化なしのログハウスの室温の差が如実に現れたのは6月4日(晴れ)。
午前9時の段階で、屋根緑化なしタイプは室温がすでに23.5度となっていたが、屋根緑化タイプは19.5度。
この日最高気温(31.0度)を記録した午後2時になると、屋根緑化なしタイプは32.0度まで室温が上昇したのに、屋根緑化タイプは25.5度。
実験は外気熱との交ざりを防ぐため窓を閉め切った状態で続けられた。
翌5日の天気は曇りだったが、午前11時には外気温が29.0度まで上昇。
屋根緑化なしタイプの室温が27.5度だったのに対して屋根緑化タイプは22.5度だった。
必須条件として1日朝夕2度、芝生に散水すること。
この方法を開発したミヨシフロンティアの阿部義通社長は、施工時から「トタン屋根の温度が摂氏50度に達しても、芝生が太陽光を遮り、散水による気化熱効果が加わって室温は28度程度だろう」と予測。
6畳ワンルームのログハウスゆえに効果は予測以上となった。
しかし一般木造住宅2階建ての2層(階)構造でも同様の効果が得られるかは、まだ実験していないため不確実だ。
住宅では人の出入りによる外気の流入が考えられ、壁から外気熱が室内に伝わることが考えられるため、ここまでの顕著な効果があるかどうか。
そのため、阿部社長も「2階建て住宅よりも平屋建ての方が効果がでやすいのでは」と話していた。
産経新聞より
投稿者 trim : 2011年07月10日 21:57